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建設若人が一堂に集い絆深める 宮崎建協青年部連合会日向大会

 宮崎県建設業協会青年部連合会(坂口浩部会長)は10月21日、日向市内で「第30回宮崎県建設業協会青年部連合会日向大会」を開催した。大会には各地区の青年部員や来賓ら総勢200人超が参加。「新時代は日向から!時代よ俺に付いてこい!」を大会スローガンに掲げ、県内建設業の次代を担う若人が友情と絆を深めると共に、建設業のイメージアップ活動や地域貢献活動を引き続き、積極展開していくことを固く誓った。

 大会は基調講演、作業着ファッションショー、式典、懇親会の4部で構成。基調講演では、国土交通省土地・建設産業局建設業課入札制度企画指導室の三浦逸広室長が「建設業の課題と今後の方向性」と題して、ミスユニバース長崎大会の運営等に携わった株式会社ASHの白川鮎美代表取締役が「守る土木から魅せるドボクへ」と題して講演した。

 講演で三浦室長は、担い手三法の改正とその成果について説明したほか、i-Constructionの推進による生産性向上や建設業の働き方改革に省を挙げて取り組んでいることを紹介。白川氏は、外面・内面・精神面の3面を磨き、人としての魅力をアップさせて建設業のイメージ改善に繋げていく必要性などを訴えた。

 その後の式典では、主催者を代表して青年部連合会の坂口部会長が挨拶。建設業が依然として先行き不透明な厳しい状況にある一方で、「国土・郷土を創る、地図に残る仕事をする、災害から地域を守るなど、建設業にしか持ち得ない魅力と誇りがあり、今現在、そして将来にわたってこれを伝えていくことが我々の責務だ」と述べた。

 坂口部会長は「大会を通じて、青年部員が絆を深め、一致結束すれば、必ずや建設業の未来につながることになる」と述べた上で、「これからも我々は、豊かな社会を創造し、地域と共に歩む建設業を目指して精進し、頑張っていこう」と参加した青年部メンバーに呼び掛け、挨拶を締め括った。

 大会実行委員長を務めた寺原多加広氏は、公共工事だけでなく様々な知恵を絞って生き抜いていこうという考えを青年部の皆が持ち、地域の建設業でも新しいことができるという希望を日向の地から示したいと考え、作業着ファッションショーを企画したことを説明。「格好いい建設業を目指して皆と頑張っていきたい」と意気込んだ。

 来賓祝辞では、宮崎県の河野俊嗣知事、江藤拓衆議院議員、十屋幸平日向市長、宮崎県建設業協会の山﨑司会長が挨拶。河野知事の挨拶を代読した内田欽也副知事は、「本県建設業を支える若きリーダーであり、故郷に誇りと愛着を持つ青年部員の献身的な活動が、建設業のみならず本県全体の活性化に繋がっていくことを期待する」と述べた。

 一方、山﨑会長は、第2部で行われた作業着ファッションショーに関して「建設業のイメージを変えていこうという青年部の強い気概を感じた」と言及。各地区青年部が積極的に取り組んでいる地域貢献活動に感謝の意を示すと共に、「青年部の知恵と努力、パワーをもって、担い手の確保や育成に取り組んで欲しい」と呼び掛けた。

 表彰式では、青年部連合会の発展に各地区の部長等として尽力した▽川越昌一郎氏▽仁科聡一郎氏▽葛西了一氏▽谷口大海氏▽坂元誠治氏▽小倉晃氏▽西府信一郎氏▽畦田勝典氏▽甲斐浩二氏▽竹井哲博氏▽齋藤勲氏―の名が読み上げられ、受賞者を代表して川越昌一郎氏に感謝状が贈られた。

 式典ではこのほか、①若者らしく情熱を持ってスマートかつ紳士的に仕事に取り組む②若手技術者の確保のために建設業の魅力の伝わる活動を行う③青年部活動を通して工事受注につなげる努力をする④新技術に積極的に取り組み建設業の技術向上を目指す⑤青年部のネットワークを構築し、建設業の未来のために協力し合う―とした決議を採択。次回大会を東諸地区で行うことも発表された。

 式典後の懇親会では、日向地区建設業協会の奈須健時部長が「建設従事者の高齢化が進み、将来の先行きに不安を感じるからこそ、次代に柔軟に対応できるよう取り組むべきだ」と提起。建設業に興味を持ってもらうための魅力発信など、新時代を築くための共通目標を持ち、地域を守る基幹産業として社会に貢献していこうなどと訴えた。

 宮崎県議会の黒木正一議員が乾杯の音頭を発声し、趣向を凝らしたアトラクションや歓談を楽しみながら、積もる話しに花を咲かせ、明日への英気を養っていた。次回開催地区である東諸地区建設業協会青年部の寺田武志部長が挨拶し、青年部連合会の谷口大海副部会長が一致結束を呼び掛け、同氏の音頭に合わせて全員で万歳三唱を行った。

■地元高校や企業とコラボ、作業着ファッションショー

 「見た目も格好良く」。日向大会の第2部では、地元高校や専門学校とコラボレーションした作業服のファッションショー「ひなたコレクション」が催された。高校生がデザインを担当し、服飾系専門学校で製作した色鮮やかな作業服を青年部のメンバーが身に纏い、ランウェイでポーズを決めるなどして会場を盛り上げた。

 担い手の確保・育成が喫緊の課題である建設業に対して、若い人達に興味を持ってもらい、建設業界の魅力を発信しようと、日向地区建設業協会青年部が企画・開催したもの。奈須部長は「作業服は同じ形・同じ色のものが多くイメージ的にも質素。若者に興味を持ってもらうために、まずは見た目も重要だ」と開催経緯を話す。

 作業服のデザインは県立富島高等学校と県立日向工業高等学校の生徒13人が担当。デザインを基に、延岡市の学校法人ミウラ学園トライアートカレッジが製作し、ASHの白川鮎美氏らがランウェイでのウォーキング及び動作を指導した。

 建設現場に見立てたランウェイに颯爽と登場した青年部メンバーは、赤・青・黄などのカラフルな作業着をまとい、測量やKY活動、ラジオ体操など現場での作業に因んだ動きを軽快に披露した。コレクション終盤には、スペシャルゲストとして宮崎県の内田欽也副知事がモデルとして登場し、会場を大いに沸かせた。

 デザインを担当した富島高校の川合日和さんと末永みなみさんは、「最初は全くイメージが浮かばなかったが、建設現場のことを知り、夜間作業でも目立つよう、目立つけれども高齢の方も着られるよう、作業性・機能性にも注意してデザインした」と話した。ファッションショーの模様を見学し、ものづくりの喜びと感動に浸っていた。

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