県産材を使用した家づくりの普及促進等を目的に、宮崎県内の建築関連団体等で組織するみやざき木の家普及委員会は18日、宮崎市内で「みやざき木の家セミナー」を開催した。
当日は、みやざき木の家コンクールの表彰式のほか、木の家に関する講話、トークセッションが催され、来場者は木に対する知識や見識を深めた。
木の持つ魅力を広く知ってもらおうと、▽宮崎県建築士会▽日本建築家協会九州支部宮崎地域会▽宮崎県建築士事務所協会▽宮崎県建築協会▽宮崎県建築業協会▽宮崎県木材協同組合連合会―で組織するみやざき木の家普及委員会が開催したもの。
第一部では、身近な木材を使用し、デザイン的にも優れた家づくりを顕彰するみやざき木の家コンクールの表彰式を行い、入賞6件の建築主と設計者に表彰状等が贈られた。審査委員長を務めた宮崎大学教育文化学部の米村敦子教授は各作品の特徴を紹介し、「入賞作品を参考に今後も素晴らしい木の家が建っていくことを望む」と講評した。
第二部では、宮崎県木材利用技術センター木材加工部の深田学副部長が「みやざきの木の話」をテーマに講演。素材生産量日本一を誇る本県のスギ材が軽く、柔らかで、加工しやすい材料であり、十分な強度や断熱性、耐久性等を持っていることをデータを基に紹介し、「木は強さと優しさを併せ持っている」とまとめた。
当初の予定を変更して行われた第三部のトークディスカッションでは、コンクールの審査委員と入賞作品の設計者が木の家づくりについて意見を交わした。審査委員を務めた松竹昭彦氏は、次代を担う若い建築士の意欲向上等がコンクールの趣旨であること、設計者としての視点ではなく使用する側の視点で審査を行ったことを説明した。
木の魅力を尋ねる来場者の質問に対し、コンクールの最優秀作品を設計した柴睦巳氏(柴設計)は、スギ材の白身と赤身を使い分けていることやバランスを考えながら設計を行っていることを説明。河野秀親氏(レモン設計室)は、新建材等で覆わずに木を身近に感じることができる家づくりに務めていることを紹介した。
コンクールの入賞作品は次のとおり(作品名、カッコ内は設計者・施工者)。
▽最優秀賞=川南の平屋(柴設計・桜木組)
▽優秀賞=霧島連山を望む家(ライフ建築設計事務所・内枦保住建)
▽奨励賞=薫る坂に建つ家(レモン設計室・松富建設)、書斎のある家(杉尾組)、木乃香の家(久米建設)、大きな木の家(工藤興業)。