土木建設に関する高い技術と社会性を兼ね備えた人材を育成する宮崎県産業開発青年隊の2025年度入隊式が、4月15日に宮崎県建設技術センターで行われた。式典には、今年度の新入隊員39人とその保護者、宮崎県の河野俊嗣知事、一般社団法人宮崎県建設業協会の藤元建二会長ら多数の来賓が列席し、新入隊員にエールを送った。
1951年創設の産業開発青年隊は、企業の即戦力となる土木建設エンジニアを育成する全国唯一の教育機関。様々な技術や知識を身につけ、多くの資格を取得することができ、これまでに5千人を超える優秀な人材を輩出している。現在は、指定管理者の宮崎総合学院が伝統と民間スキルを組み合わせた教育プログラムを実践している。
25年度は、高卒者や企業の新入社員など39人が、土木建設に係る基礎知識と各種技能の修得を図る施工管理課程に入隊。青年隊初となる外国籍の隊員も入隊した。
15日に行われた式典では、河野知事が隊員の代表に隊旗を授与。挨拶で河野知事は、建設業が県民の生命及び財産を守る重要な産業であることを強調し、「集団生活で切磋琢磨しながら、互いに思いやることができる広い視野を持った優秀な建設技術者に一日も早く成長し、本県の建設産業をリードする人材として活躍してもらいたい」と述べた。
来賓祝辞で宮崎県議会の濵砂守議長は、「高度な知識や技能を習得するとともに、仲間との友情や豊かな人間性を育み、本県の建設産業を支える担い手として大きく成長されることを願う」と挨拶。清山知憲宮崎市長の挨拶を代読した帖佐伸一副市長は、「ここで学び、習得する専門知識や技術は大きな財産になる。防災・減災の観点を常に持ち、地域社会の安全と発展に貢献してもらいたい」と期待を込めた。
自身も青年隊のOBである宮崎県建設業協会の藤元会長は、地域の安全・安心に寄与する建設産業の重要性を説きつつ、近年は若手技術者の確保・育成が重要な課題になっているとして「皆さんに大きな期待を寄せている」と述べた。その上で、「若者らしく何事にも積極的に挑戦し、技術や技能をしっかりと身に付けて」と新入隊員に呼び掛けた。
新入隊員を代表して誓いのことばを述べた長谷昴貴さんは、友愛・希望・協力をモットーに、隊員同士が互いに助け合い、厳しい訓練に耐える覚悟を示すとともに、「技術向上や資格取得に邁進し、集団生活の中で協調性を養い、社会基盤整備を担う一員として活躍できるよう、また、地域社会に信頼される技術者になるよう努力する」と誓った。
隊員はこれから一年間、規律ある集団生活を送りながら、実技や実学、民間企業での実習等を通じて、土木建設に関する基礎や測量、機械運転、ICT施工などに関する知識と技術を学ぶ。