一般社団法人宮崎県建築士会(那須日出夫会長)は10月27日、宮崎市内で高校生の「建築甲子園」宮崎県予選大会を開催した。県立宮崎工業高等学校と都城工業高等専門学校の2校から出場した7チームが、全国大会への出場をかけて「地域のくらし―地域に根ざした新しい和室を持つ戸建の住まい」をテーマに作品を発表した。
▲大会の模様
建築甲子園は、建築教育課程を有する全国の工業高校、高等学校、工業高等専門学校を対象とした全国規模のコンペ。16回目となる今大会は、日本の住まいから消えつつある和室にフォーカスし、可動式・多用途でフレキシブルな空間として再構築可能な、日本にしかない新しい和室を持つ住まいの提案を求めた。
主催者挨拶で松竹昭彦審査委員長(宮崎県建築士会名誉会長)は、今大会テーマの趣旨を説明し、西洋化していく現在の日本の住まいに言及。「我が国本来の『和』を重んじつつも、和室の進化系を考えてもらいたい」と述べ、参加した生徒にエールを送った。
県予選大会では、審査員が▽テーマの理解度▽提案度▽具体性▽独創性▽表現力(プレゼン力)―の5項目に、出来栄えを加えて作品を評価。最優秀賞に1作品、宮崎県建築協会長及び宮崎県建築業協会長賞に各1作品、奨励賞をそれぞれ選定し、最優秀賞と各協会長賞(いずれか1作品)を受賞した作品を全国大会に推薦する。
プレゼンテーションでは、審査委員長を務めた松竹氏のほか、稲用光治氏(元県立宮崎工業高等学校長)や一般社団法人宮崎県建築士事務所協会の村社俊弘会長、公益社団法人日本建築家協会九州支部宮崎地域会の久寿米木和夫会長ら5人の審査員を前に、生徒達が作品の外観パースや立面図・平面図を示しながら、コンセプトや機能を説明した。
最優秀賞は、宮崎工業高等学校Bチーム(大山由花さん、山下まりなさん)の「新しい和室が生む新しい出会い」が受賞した。子ども達の居場所や地域交流の場が減少する市街地に於いて、こうした課題を解消するため、駄菓子屋と融合した住まいを提案した。
一方、宮崎県建築協会長賞は都城工業高等専門学校やぎレンジャーチーム(東郷青空さん、八木麻優利さん、鮫島慶光さん)の「地域と暮らす家」、宮崎県建築業協会長賞は、同校めいめいチーム(牛道芽衣さん)の「おばあちゃんと縁側」が受賞した。
講評で松竹審査委員長は、作品の表現力やプレゼン能力が年々向上していることを評価した一方、テーマの解釈にわずかな相違があったと指摘。「深く掘り下げ、作品に反映させることが難しかった」と理解を示しつつ、「若い発想に期待するとともに、全国大会へ出場する代表選手を心から応援している」と述べた。
全国大会には、最優秀賞を受賞した宮崎工業高等学校Bチームの「新しい和室が生む新しい出会い」と、宮崎県建築協会長賞を受賞した都城工業高等専門学校やぎレンジャーチームの「地域と暮らす家」2作品を推薦する。