国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所は、4月17日に宮崎市役所前の大淀川河川敷で排水ポンプ車の操作訓練を実施した。訓練には、宮崎市及び国富町の担当職員のほか、同事務所と災害時等の応急対策工事等に関する基本協定を締結した10社から約40人の技術者が参加。操作上の留意点や操作方法を確認した。
排水ポンプ車の操作訓練は、梅雨の集中豪雨や台風等による洪水が起きやすい出水期に備えて、毎年この時期に同事務所と災害時等の協力会社が行っているもの。現地には、吐出量60㌧及び30㌧の排水ポンプ車2台を準備し、同車両のメンテナンスを請け負うクボタ環境エンジニアリングの担当者が訓練の講師を務めた。
訓練では、車両に備え付けている各種器具や工具、出動前に行う発電機の動作確認について説明を行ったのち、実際に参加者が制御盤のスイッチやダイヤルを操作して、投光器や発電機、水中ポンプを稼働させる方法を紹介。また、水中ポンプをフロート(浮き輪)やホース、係留ロープと接続する方法を実演した。
説明の中では、バッテリーと車両の燃料を使用することで、最大14時間の連続稼働が可能であること、ダイヤル調整や稼働させる水中ポンプの数で吐出量を調整できること、警告ランプが点灯した場合の対応方法を解説。操作制御盤からホースの設置箇所が死角になる際には、監視人を配置するなどの注意事項も説明した。
宮崎河川国道事務所では排水ポンプ車8台を配備しており、2022年の台風14号では、新富町内で2台を稼働させている。同事務所の堤宏徳総括地域防災調整官は、「出水期前に再度、操作方法等を確認しておくことが大切」と指摘。近年の自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、「万全の体制で備えたい」と話した。
同様の訓練は、5月16日に都城地区でも行われる。