一般社団法人宮崎県建設業協会は10月18日、県立延岡工業高等学校の土木科2年生39人を対象とした現場見学会を開催した。生徒達は、高千穂町内で施工中の災害復旧工事や道路改良工事の現場を見学し、建設業に対する理解と興味を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区建設業協会)に積極的に取り組んでいる。
現場見学会は、有限会社日章が施工する「国道325号下野地区災害復旧工事」、株式会社富山産業が施工する「国道325号下野工区道路改良工事その1」、東栄建設株式会社が施工する「同その2」日新興業株式会社が施工する「宮崎218号越次地区改良(その3)工事」、株式会社竹尾組が施工する「同(その4)工事」の現場で行われた。
下野工区道路改良工事の現場では、工事を発注した西臼杵支庁の担当者が、国道325号は大型車両の通行が多く、円滑な交通を阻害しているため、付加車線を造るための路線整備を行っていることを説明。その後、主任技術者を務める富山産業の富山雅彦氏が、着工から現在に至るまでの施工フローなどを説明した。
一方、越次地区改良工事の現場では、日新興業の土田悠暉氏が路線整備の目的や施工中の擁壁工(補強土壁)及び排水構造物(管渠)の作業内容などを解説。補強土壁の3D図面を確認したほか、直径2メートルの大型管渠の内部も見学した。
竹尾組の現場では、現場代理人の佐保康徳氏と和田周子氏が、周囲の伐採からモルタル吹付、排水溝床堀といったこれまでの工程を説明。現場周辺に含まれる蛇紋岩の性質等を解説し、蛇紋岩の硬さを確かめたり、叩いた時の音や感触を体感した。
見学会に参加した生徒は、「まだ進路は決まっていないが、今日の経験を活かして、進路選択の一つにしたい」と話した。