株式会社増田工務店(増田祐介代表取締役社長)は9月2日、社員とその家族を対象とした交流イベント「家族の参観日」を開催した。3回目となる今回は、主に社員の両親を対象に開催。日中には、同社が施工する土木・建築現場を見学したほか、夜には高鍋町内のホテルで懇親会を行い、社員とその家族が互いに交流を深めた。
家族の参観日は、社員が従事する建設現場や建設業界の実情をより知ってもらうとともに、社員間及び家族間の交流促進などを目的として、同社の社員が企画・立案して開催しているもの。第1回は社員の子ども、第2回は配偶者をそれぞれ対象に開催しており、4年ぶりとなった今回は、主に社員の両親や祖父母を招いた。
日中に行われた現場見学会には、社員と家族約40人が参加。都城市内で同社が施工する都城志布志道路のボックスカルバート設置工事の現場を見学した。同社の押川雅史工事長が、道路を整備する目的や整備に伴う効果、工事の進捗状況などを説明し、施工中のボックスカルバートを周囲から見学して、参加者からの質問に応じた。
押川工事長は、「土木工事の構造物は、完成後には見えなくなることが多い」とした上で、詩人の相田みつを氏が残した「土の中の水道管 高いビルの下の下水 大事なものは表に出ない」という言葉を紹介。見えないけれど、大切なものを造っているという自覚を持ち、現場に携わる全員で力を合わせて仕事に励んでいると思いを述べた。
同じく都城市内で、同社を含む特定建設工事共同企業体が施工を進めている陸上競技場の建設主体工事の現場では、現場代理人を務める中村基治氏が工事概要を説明。2027年に本県で開催される国民スポーツ大会で陸上競技の主会場となることを紹介し、現場内に入って、躯体工事の状況や今後の工事スケジュールを説明した。
ボックスカルバート設置工事に携わる入社6年目の久保一星さんは、「家族を現場に招くのは、これまでに経験の無い不思議な感覚。恥ずかしくない仕事ができるよう頑張りたい」と意気込みを語った。母親の真由美さんは、「漠然と建設業を理解していたが、実際に現場を訪ねて、責任ある仕事をチームでされていることに感動を覚えた。100点をあげたい」と話した。
高鍋町内で行われた懇親会には、約120人の社員とその家族が参加。本社・支店を含む全社員に加え、家族への想いを尋ねた若手社員のインタビューを動画で紹介した。司会を務めた土木部の大山芳史部長は、「育ててくれてありがとう」が今回の参観日のテーマであり、感謝の気持ちを込めて、親子で一緒に過ごしてもらいたいと話した。
挨拶で増田社長は、同社の一番の強みは「社員の人間力」であり、一人ひとりがそれぞれの部署で、プロ意識を持って仕事をしていることを説明。その基盤となっているのが、「御両親から学んだ価値観やこれまでの教育のおかげ」であるとして敬意を示し、「御両親からいただいた人間力を会社で活かせるよう精進してきたい」と話した。
開宴後には、会場中央に並べられた料理に舌鼓を打ちながら、社員間、家族間で歓談を楽しみ、会場には笑顔があふれていた。子どものけん玉大会や、社員から親に対するメッセージの披露も行われた。