国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所と宮崎県建設機械器具リース業協会(後藤健治会長)は、9月12日に宮崎市内で簡易遠隔操縦装置(ロボQS)の取付訓練を実施した。
訓練には、同事務所の職員5人と協会から会員企業の職員19人が参加。バックホウに装置を取り付ける手順や遠隔での操縦方法等を入念に確認した。
九州技術事務所とフジタ、IHIが共同開発したロボQSは、汎用のバックホウに簡単に取付可能な遠隔操縦装置。土石流や崩落等の災害復旧活動は、迅速な作業が必要であるにもかかわらず、二次災害の恐れがあることから、ロボQSを搭載した無人のバックホウを遠隔操作することで、作業の迅速性と安全性を確保することができる。
一方で、九州地方整備局は、日本建設建設機械レンタル協会の九州支部及び各県部会と災害時における応急対策業務の支援に関する協定を締結。本格的な台風シーズンに備え、ロボQSの取付方法の習熟を図るため、宮崎県部会を兼ねる宮崎県建設機械器具リース業協会と装置を保有する宮崎河川国道事務所が、初となる訓練を行った。
訓練では始めに、宮崎河川国道事務所の堤宏徳総括地域防災調整官が、訓練の趣旨やロボQSの特徴などを説明。これまで、首都圏から技師を呼んで装置の取り付けを行っていたが、事務所の職員や地元企業の技術者が取付作業をできるようになることで、こうした時間や労力を大幅に削減できるといったメリットを強調した。
訓練では、実際にロボQSを搭載したバックホウを遠隔操縦するデモンストレーションを行い、会員企業の技術者も遠隔操縦を体験。宮崎河川国道事務所の職員が、装置の仕組みや適切に取り付けるための留意点等を説明しながら、全ての装置を一旦取り外し、その後、全員で再度、バックホウに装置を取り付ける訓練を行った。
協会の後藤会長は、災害発生時に会員企業が保有する資機材や人材を提供する協定の趣旨を踏まえ、「迅速に復旧活動を行えるようににするのが我々の責務」と強調。「いつ、どこで起こるか分からない災害に対して、しっかりと準備したい」と話した。