宮崎県建設業ICT推進コンソーシアムは9月15日、会員企業の代表や技術者を対象とした技術講習と現場見学会を開催した。
都城市内の龍南建設株式会社の現場事務所で、ICT施工の現状やUAVによる写真測量に関する講話を行ったほか、同社が施工する道路改良工事の現場でICT建機の見学や操作体験を行った。
同コンソーシアムは、ICT(情報通信技術)を活用した建設現場の生産性向上や建設分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するため、2020年12月に発足。技術交流を目的とした勉強会や現場見学会を定期的に開催している。
講習に先立ち挨拶に立ったコンソーシアムの黒木繁人会長は、「デジタルを活用して現場の様々な課題を解決し、尊敬される職業、なりたい職業ナンバー1を目指していきたい」と話した。
技術講習では、龍南建設の岩﨑征弘技術部長が「i-Construction/ICT施工の推進」をテーマに講演。ICT活用工事による作業の縮減効果や工種の拡大、積算基準の拡充について説明するとともに、国土交通省が今年7月にまとめたインフラ分野のDXアクションプランから個別施策を抜粋して紹介した。
また、特別講師として招かれた九州地方整備局企画部インフラDX推進室の南竹知己課長補佐は、九地整におけるDXの取り組みとして、ゲームエンジンを用いたインフラ分野に於けるメタバースの活用、ドローンによる360度パノラマ映像を複数合成したスカイバーチャルツアー、災害査定のデジタル化について説明。
南竹氏はこのほか、UAV写真計測(SfM)をテーマに、写真測量の手順や作成した三次元モデルで誤差が生じる要因とその対応策などについて解説するとともに、UAV安全講習として、航空法や小型無人機等飛行禁止法に基づき、法令違反の恐れがある行為について、演習問題を例に分かり易く解説を行った。
講習後には、龍南建設が施工する「宮崎10号金田地区改良工事(その7)工事」の現場に移動。甲斐傑作業所長が、工事の概要や進捗状況、活用しているICT技術を説明し、マシンコントロールによるブルドーザーの敷き均しやバックホウの法面整形、GPSを搭載したタイヤローラーの転圧の模様を見学した。