一般社団法人宮崎県建築協会の青年部(坂本大志部会長)は8月5日、宮崎市高岡町の高岡地区農村環境改善センターで2023年度の「公共建築物保全活動」を実施した。県内各地から青年部員ら約50人が参加し、経年劣化が進む施設の補修作業に汗を流したほか、地域の親子を対象とした木工教室も同時開催した。
地域に根ざす建設業としての社会貢献や部員の更なる団結、奉仕に対する意識の向上を目的として、1997年度から実施しているもの。公共施設に於ける無償での保全・点検活動やものづくりの楽しさを伝える木工教室の取り組みが高く評価され、2012年度には宮崎市から青年部に対して感謝状が贈られている。
今年度の活動は、宮崎市高岡町の高岡地区農村環境改善センターで実施。早朝から現地に集合した青年部員を前に、挨拶に立った坂本部会長は、施設利用者の妨げにならないよう、熱中症にも気を付けて、安全第一で作業に取り組んでと呼び掛けた。
保全活動では、センター側から事前に寄せられた要望を踏まえ、建物外部に設置するプランターや図書室内に設置する本立て及び棚を製作し、表面を塗装して綺麗に仕上げた。また、小会議室の床面シートの貼り直しやパソコン室の机表面のケレンがけ、図書室の間仕切り設置、図書室カウンター下の棚の設置に取り組んだ。
屋外に設けられたらせん階段では、踏み台や中央の丸柱を中心に、表面を傷つけないよう、付着した苔を高圧洗浄機で除去した。このほか、事前に用意していたチェックリストに基づき、建物内外部の劣化診断も行った。一方、親子木工教室では、参加した親子約20人が協力しながら、オリジナルの椅子の作成に挑戦した。
同センターの倉永保宏館長は、「無償で保全活動を行っていただき、とてもありがたい。綺麗になった施設を安全、快適に利用してもらえる」と喜んだ。坂本部会長は、会員企業の技術や技能を活かした地域貢献活動の意義を強調し、「建設業に対する正しい理解や信頼できる協会としてのPRにも繋げたい」と期待を込めた。