日向市の旭建設株式会社と橋梁点検等を手掛ける宮崎市の株式会社FOFは2月17日、旭建設が施工する橋梁下部工の現場で、ドローンによるリアルタイム中継の見学会を行った。
同橋の詳細設計を担当した株式会社宮崎産業開発も参加し、リアルタイムの映像を遠く離れた事務所等に中継し、現地の状況を遠隔で把握できることを確認した。
旭建設とFOFは、2022年1月にICT技術の活用推進に向けた業務提携を締結。ICT施工を積極的に推進する旭建設と、橋梁点検等を通じてICT技術サービスを提供するFOFが、互いのフィールドで推進するICT技術の強みを融合させることで、インフラ分野のデジタル化・スマート化に対する技術力の強化等を図る。
今回の遠隔現場見学会は、旭建設らが下部工を施工する宮崎市内の(仮称)宮崎港緑道橋の建設現場で開催。現場と旭建設の現場事務所、遠く離れた宮崎産業開発の本社をインターネット回線でつなぎ、事務所から撮影箇所を指示するなどして、現場を飛行するドローンやアクションカメラの映像をリアルタイムで両事務所に中継した。
建設現場で行われている遠隔臨場では、ウェアラブルカメラやスマートフォンを用いることが多く、ドローンを活用する場合も撮影済の映像や写真を使用することが多い。リアルタイムで中継することで、事務所からの指示に基づいて、災害現場等を迅速かつ的確に把握できることや、危険箇所を安全に確認できることをメリットに挙げる。
見学会後に宮崎産業開発と行った意見交換では、既に保有しているドローンでも同様に中継できるのかといった質問のほか、使用するソフトや回線、情報共有システムでの活用などについて質問が寄せられた。
現場代理人の樫本健吾氏は「現場に行かなくても映像で状況を確認できることが分かった。業務の効率化に向けて、積極的に活用を検討したい」と話した。FOFの児玉社長は、「意思の疎通を明確にするための事前準備や、通信ボリュームに応じた回線の確保など課題も見えた。改良を重ねて、精度を上げていきたい」と意気込みを語った。