土木建設に関する技術力や社会性を兼ね備えた技術者を育成する「宮崎県産業開発青年隊」の2021年度修了式が、2月16日に宮崎県建設技術センターで行われた。新型コロナウイルス感染症対策として、式典は規模を縮小して開催。今年度の修了生とその保護者、宮崎県の河野俊嗣知事ら少数の来賓が出席し、修了生の門出を祝った。
産業開発青年隊は、即戦力となる土木建設エンジニアを育成する教育機関。土木建設に必要な技術や知識を身につけるとともに、多くの資格を取得することができ、ほぼ100%の就職率を達成している。10年度からは指定管理者である宮崎総合学院が、青年隊の伝統と民間のスキルを組み合わせた教育プログラムを実践している。
21年度の修了生は、土木建設に係る基礎知識や技能の修得を図る施工管理課程が34人、同じく専門知識や技能の修得を図る専攻課程が4人。修了生は、県内外の建設会社や行政機関等に就職するほか、施工管理課程の修了生5人が専攻課程に進学する。
16日に行われた修了式では、宮崎県建設技術センターの下川泰雄センター長が、約一年間にわたる訓練の過程や修了生の進路状況等を報告。修了生全員の名前が読み上げられたのち、河野知事が施工管理課程代表の後藤優介さんと、専攻課程代表の野田太陽さんに修了証書を手渡し、専攻課程の阿萬湧貴さんから隊旗の返還を受けた。
河野知事は、頻発化・激甚化する自然災害や道半ばである社会基盤整備を念頭に、建設業が安全・安心の確保や経済活動の基盤づくりに携わる重要な産業であることを強調。「青年隊修了生としての誇りと自信を胸に、何事にも挑戦し、ここで培った知識や技術を遺憾なく発揮して、本県の建設産業を大いに盛り上げて」と期待を込めた。
一般社団法人宮崎県建設業協会の藤元建二会長(代読=本部喜好副会長)は、建設業が社会資本整備の担い手であり、災害対応をはじめとする地域の守り手である一方、中長期的な担い手の確保が喫緊の課題であることを説明。「宮崎県の建設産業を自分達が守り、育てるという気概と信念を持って頑張ってもらいたい」とエールを送った。
修了生を代表して答辞を述べた施工管理課程の吹上一平さんは、建設現場で必要な技術や知識、社会生活の基本を学び、苦楽を共にした青年隊の仲間との思い出を振り返るとともに、一生の宝である仲間と助け合いながら、不撓不屈の精神で「新時代をリードできる技術者になれるよう頑張っていきたい」と力強く決意を語った。