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宮崎県溶接協会

 宮崎県と一般社団法人宮崎県溶接協会(碕山裕和理事長)は11月8日、宮崎県工業技術センターで2022年度「第66回宮崎県溶接技術競技会」を開催した。各地区の代表選手と県立産業技術専門校の学生による一般の部に加え、新設した女子の部に合計39人の選手が出場し、日頃の業務や訓練等で培った技術を競い合った。

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女子の部

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 競技会は、県内溶接技術の更なる発展や技術者の資質及び技能の向上などを目的に、県と協会の主催で毎年開催しているもの。今年7~8月に約200人が参加した各地区の予選会を勝ち上がった代表選手に加え、県立産業技術専門校の構造物鉄工科の学生(うち1人は女子の部)と女子の部の選手1人が特別枠で参加した。

 競技会が行われた宮崎県工業技術センターの大衛正直所長は、新設された女子の部について「溶接業界で女性が活躍するための大きな一歩」と歓迎。溶接が国内産業の基盤技術であり、全国的に高いレベルにある本県の溶接技術を維持するため、競技会を継続して行う必要性があることを強調し、これを支援していく考えを示した。

 競技は、被覆アーク溶接(手溶接)と炭酸ガスアーク溶接(半自動溶接)の2部門で実施。前年と同じく、薄板立向突合せ溶接、中板横向突合せ溶接の2種目で行われた。出場した選手は、審査員の厳しい視線が注がれる中、決められた競技時間で「熱い火花」を散らしながら、真剣な面持ちでそれぞれの課題に取り組んだ。

 今後は、12月21日に開く審査会で成績優秀者を決定。来年1月17日に宮崎県工業技術センターで表彰式を行う。今大会の成績優秀者10人が、同年5月に本県で開催予定の九州大会に出場する。県大会と九州大会の一部成績を総合した各部門の1位2人が、同年10月に茨城県で開かれる全国大会に本県代表として出場する。

 今大会の出場選手は次のとおり(順不同、カッコ内は所属)。
▽アーク溶接=新村諒太(オリンピア工業)、堀井貴博(ホリイ)、長野秀樹(山田工業)、藤田伸二(清本鐵工)、黒木友和(前同)、津田朋和(前同)、岩佐航洋(池上鉄工所)、小野毅(前同)、長友亮平(前同)、長友祥吾(朝日鉄工)、中武潤一(九州オリンピア工業)、阿萬意織(前同)、坂本将大(向陽プラントサービス)、井野大海(伊地知鉄工所)、種子田和伸(タネダ)、佐藤孝太郎(県立産業技術専門校)、吉川太尉(前同)
▽半自動溶接=片平禎陽(ブンリ工業)、渡邉邦彦(前同)、東昌彦(前同)、高橋航哉(前同)、清水秀樹(前同)、丸田徹(前同)、河野和久(山田工業)、栁田慎也(前同)、出水孝政(タネダ)、甲斐旬(向陽プラントサービス)、甲斐邦廣(池上鉄工所)、長尾優司(九州オリンピア工業)、糀谷亮平(オリンピア工業)、中武和之(赤木鉄工所)、片桐健男(MFE HIMUKA)、松岡篤武(ホリイ)、三原省一郞(山下鉄工所)、山田洋平(朝日鉄工)、井野善彦(伊地知鉄工所)、池田麻希(戸敷興業)、田上璃温(県立産業技術専門校)、黒木柊(前同)。

■新設「女子の部」に2人が出場

 11月8日に行われた2022年度「第66回宮崎県溶接技術競技会」では、今年度から新設された「女子の部」に、池田麻希さん(戸敷興業)と田上璃温さん(県立産業技術専門校)の2人が出場した。初の女子の部の出場者として注目を集める中、一般の部と同じ条件のもとで、2人とも落ち着いて競技会に臨んだ。

 池田さんは、厚生労働省委託事業として宮崎県溶接協会が実施した「中小企業等担い手育成支援事業」の第1期生。OFF-JTとOJTを組み合せた溶接技能指導等を通じて、技能検定相当の資格を取得するとともに、就労上必須なアーク溶接安全特別教育や自由研削砥石取替等の特別教育、ガス技能講習も同時に習得した。

 競技を終えた池田さんは、「時間が足りずに最後までできなかったことが悔しい」と述べる一方で、「完成させた時の達成感」を溶接の魅力に挙げる。新設された女子の部や女性の活躍に関して、「溶接は細かい作業が多く、女性に向いていると思う。興味があれば、女性にも溶接の魅力を体験してもらいたい」と期待を込める。

 同じく女子の部に出場した、県立産業技術専門校の田上さんは、「練習すればするほど上手くなり、楽しさが増す」ことを溶接の魅力に挙げた。今回の競技会の感想について「練習よりも上手く、楽しく作品を造ることができた」と、満足げな表情を見せた。

 宮崎県溶接協会の碕山理事長は、若年層や女性をはじめとする担い手の確保・育成や、従事者の高齢化に伴う技術の伝承が喫緊の課題であることを踏まえ、「女性も入職しやすい環境をつくることが大切。多くの人達に溶接の魅力をPRするとともに、協会と会員企業が連携して、こうした体制づくりを進めていきたい」と話した。