一般社団法人宮崎県建築士会(松竹昭彦会長)は、地域貢献活動の一環として、宮崎市田野町の八重福ふく協議会が実施した交流拠点施設整備に協力した。7月31日、宮崎支部の会員を中心に、協議会のメンバーや宮崎大学の学生、宮崎県及び宮崎市の職員とともに、八重自治公民館の葺き下ろし屋根の設置作業に汗を流した。
中山間地域に位置する田野町八重地区では、農業従事者の高齢化や後継者不足などにより、耕作放棄地の増加や空き家が目立つなど、集落の維持が厳しくなりつつあった。このため、2017年に地元住民らでつくる「八重福ふく協議会」を設立し、外部団体等とも連携しながら、地域を盛り上げる活動を積極的に展開している。
今回の交流拠点施設整備は、宮崎県や宮崎市の補助事業として、都市部の住民との交流促進や地域のイベントに活用できるよう、既設の公民館に隣接して葺き下ろし屋根を設置したもの。宮崎市を通じて協力を打診された宮崎県建築士会が依頼を快諾し、宮崎支部の会員を中心に計画から設計、設置までの作業を支援した。
作業当日は、早朝から協議会のメンバーや宮崎大学竹林系サークル「みやちく」に所属する学生2人とともに、部材として使用する柱を塗装。その後、建築士会の会員が柱・桁の建方、登り梁の建方を行った。昼休憩を挟んで、垂木取付と屋根波板張りを行い、夕方までに長さ約9m、幅約5mの葺き下ろし屋根を完成させた。
昼休憩の前に現地を訪ねた戸敷正市長は、午後からの作業に向けて参加者を激励するとともに、完成した施設が八重地区の更なる発展に繋がることを期待した。宮崎県建築士会宮崎支部の福添勝郎支部長は、地域に根ざす建築士として、会員の協力を得ながら、今後も職能を活かした地域貢献活動に取り組む考えを示した。