土木建設に関する技術力や社会性を兼ね備えた技術者を育成する「宮崎県産業開発青年隊」の2020年度修了式が、2月19日に宮崎県建設技術センターで行われた。新型コロナウイルス感染症対策として、式典は規模を縮小して開催。今年度の修了生とその保護者、宮崎県の河野俊嗣知事らが出席し、修了生の門出を祝った。
産業開発青年隊は、即戦力となる土木建設エンジニアを育成する教育機関。土木建設に必要な技術や知識を身につけるとともに、多くの資格を取得することができ、ほぼ100%の就職率を達成している。10年度からは指定管理者である宮崎総合学院が、青年隊の伝統と民間のスキルを合わせた教育プログラムを実践している。
20年度の修了生は、土木建設に係る基礎知識や技能の修得を図る施工管理課程36人。修了生は、県内外の建設会社や行政機関等に就職するほか、一部は更なる専門知識及び各種技能の修得を図る青年隊の専攻課程へ進学する。
19日に行われた修了式では、宮崎県建設技術センターの下川泰雄センター長が一年間にわたる訓練の過程や修了生の進路状況等を報告。修了生全員の名前が読み上げられたのち、河野知事が修了生代表の大毛純輝さんに修了証書を手渡し、同じく奈須晶弘さんから隊旗の返還を受けた。
河野知事は、建設業が県民の安全や安心の確保、経済産業の基盤づくりに携わる重要な産業であることを強調。「青年隊修了生としての誇りと自信を胸に、何事にもチャレンジするとともに、青年隊で培った意識や技術を遺憾なく発揮しながら、本県の建設産業を大いに盛り上げていただくことを期待している」と祝辞を述べた。
修了生を代表して答辞を述べた阿萬湧貴さんは、時折声を詰まらせながら、建設現場で必要な技術や知識、社会生活の基本を学び、苦楽を共有した仲間との思い出を振り返るとともに、一生の宝である仲間と助け合いながら、不撓不屈の精神で「新時代をリードできる技術者になれるよう頑張っていく」と力強く決意を語った。