九州・沖縄各県の代表が溶接の技術を競う「第50回九州・沖縄地区溶接技術競技会」が、6月9日に宮崎市の宮崎県工業技術センターで行われた。大会には、本県代表選手10人を含む50人が出場。選手達は、手溶接の部及び半自動溶接の部に分かれて、日頃の業務や練習で鍛え上げた溶接技術を互いに競い合った。
溶接技術競技会は、各種産業において基幹技術となる溶接技術に関して、技能者の資質及び技術の向上を図ることを目的に、各県の持ち回りで毎年開催されているもの。昨年11月に行われた宮崎県大会の結果を踏まえ、九州・沖縄地区大会には手溶接の部と半自動溶接の部にそれぞれ5人の選手が本県代表として出場した。
開会式では、九州地区溶接技術検定委員会の秋山哲也委員長が「普段の実力を発揮できるよう落ち着いて競技に臨み、優勝を目指して頑張って欲しい」と挨拶。来賓として招かれた宮崎県商工観光労働部の横山浩文次長は、「競技会で得られた経験を後進の育成や溶接技術の更なる向上のために役立てて欲しい」と呼び掛けた。
一般社団法人日本溶接協会の粟飯原周二会長は、日本の溶接技術が世界一であることを強調し、「普段の修練の成果を遺憾なく発揮して」とエールを送った。九州地区溶接協会連絡会の碕山裕和会長は、選手に贈られた出場記念のオリジナル焼酎を手に、「溶接の仕事や競技会の話しを肴に、家族や同僚と味わって」と呼び掛けた。
競技は、レ形突合せ継手の横向溶接を行う基礎課題(30分)と、ベースプレートに5枚の板を正五角形に組み立てる応用課題(45分)の2つの課題で実施。各部門に出場した50人の選手は、審査員の厳しい視線が注がれる中、家族や関係者の応援を背に、熱い火花を散らしながら、真剣な面持ちで課題に取り組んでいた。
各課題の満点をそれぞれ400点とし、外観試験、放射線透過試験、曲げ試験、リークテストを行って、各課題の合計点で個人賞の各賞や作品賞、団体優勝を決める。本県代表選手に関しては、昨年の宮崎県大会と今回の九州・沖縄地区大会の結果を踏まえ、今年11月に沖縄県で開かれる全国大会の出場選手2人を決定する。