宮崎県建設業協会女性の会(宮島百合子会長)は2月21日、県立都城工業高等学校で女子生徒を対象とした意見交換会を開いた。女性の会の役員や現場で活躍する女性技術者ら約20人が同校を訪ね、建設システム科1年生の女子生徒11人と、建設現場に於ける女性の就労環境や将来の進路、就職先等について意見を交わした。
冒頭、挨拶に立った宮島会長は、深刻化する建設業の人手不足等を背景に、女性技術者及び技能者の入職促進や女性も活躍できる環境づくりに向けた取り組みが建設業で進んでいることを説明。参加した女子生徒に対し、進路を決定するうえで重要なことや疑問に思っていることなど、率直な意見を聞かせて欲しいと呼び掛けた。
意見交換会の開催に先立ち、生徒を対象に行った事前アンケートでは、回答した全員が将来的に建設産業への入職を考えているが、6割超が県外での就職を希望している。一方で、建設業に於いて女性も働きやすい職場づくりを目指した取り組みが進められていることを「知っている」と回答した生徒は約3割にとどまった。
アンケートの結果を踏まえ、参加した女性技術者は、公共事業で女性も使いやすいトイレを設置するなどの取り組みが進められていることを説明。いわゆる「3K」と呼ばれていた時代とは異なり、作業の効率化に向けた電子化やICT化が現場と事務の双方で進み、女性だからこそできる仕事が多岐にわたることを紹介した。
また、参加した女性技術者はそれぞれ、建設業を選んだ理由や仕事の内容を紹介。「自分で住む家を自分で好きなように設計することができた」「図面と同じものが実際にできあがった光景を見た時に感動を覚える」「地図に残るモノを造る誇れる仕事」などと経験談を交えながら、建設業の魅力や仕事のやりがいをPRした。
質疑では「設計と大工の両方の仕事をしてみたい。両立させることはできるのか」「子供の病気など急用ができた時に休みは取れるのか」といった生徒の質問に、女性技術者が回答。建設現場には一つの目標を目指して全員で突き進む家族的な部分があり、「急用で休みを取りたい時には皆が協力してくれる」と説明した。
意見交換を終えた生徒は「建設業の方々に直接話しを聞く機会がなかったので良い経験になった。建設業で働きたい」などと感想を述べた。宮島会長は「現場環境だけではなく、工具や作業着など様々な面で女性を受け入れる環境整備に私達も取り組んでいく。できれば地元の建設業に入職して頑張って欲しい」と期待を込めた。