一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部青年部(橋田将幸部長)は、地域貢献活動の一環として、宮崎市立古城小学校の生徒達とモザイクタイルを作成した。2月14日と16日の2日間に分けて、色付タイルの貼り付けや研磨作業等に取り組み、建設中の図書館に設置する同校の外観等をイメージしたモザイクタイルを完成させた。
来月の完成を目指して工事が進む図書館は、1920年に全国初の女性校長として同校に着任した鳥原ツルさんの長女である故・前田輝子さんからの寄付金約5800万円を活用して整備するもの。既存の図書館等を解体し、建物の増築や隣接する既存建物の一部改修等を行い、S造平屋建延べ約180m2の図書館を設置する。
2月14日には、宮崎市教育委員会の担当者や青年部員が同校を訪ね、図書館整備に至った経緯や工事の内容、建築士の仕事を全校生徒に紹介。その後、1㎝四方の色付タイル8250枚を57のブロックに分かれて生徒達が一枚ずつ貼り付け、学校の外観等をイメージした縦約40㎝、横約230㎝のモザイク画を完成させた。
16日には、同校の生徒や教諭、保護者、地域住民が参加して、完成させたモザイクタイルの目地処理や研磨を行ったほか、図書館で使用するために青年部が準備した机と椅子の塗装作業に挑戦した。また、生徒達は自由な発想で学校への思いを込めたモザイクタイルの作成に取り組み、アイデア溢れる作品を次々と仕上げた。
会場では、生徒達が楽しみながらも真剣にタイルを作成する姿や、地域住民と保護者が談笑しながら作業に取り組む姿が見られた。同校の高妻智子校長は、「専門家の皆さんが紡いでくれた糸に、子ども達の糸、保護者の糸、地域の方々の糸を織り込み、ツル先生も喜んでくれるような図書館ができれば」と期待を込めた。
青年部の橋田部長は、「私たちの技術や知識、経験を生かした活動が、地域の活性化やまちづくりの役に立てば嬉しい」と話し、今後もこういった地域貢献活動を展開していく考えを示すとともに、「建設産業の担い手不足も大きな課題。ものづくりを楽しむことで、子ども達に興味や関心を持ってもらえれば」と話す。