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第51回「全九州技能競技大会」

一般社団法人全九州電気工事業協会(花元英彰会長)が主催する第51回「全九州技能競技大会」が、11月30日に西都市の県立産業技術専門校で行われた。九州・沖縄の各県大会を勝ち上がった代表選手18人に加え、オープン枠で専門校の学生2人が参加し、日頃の業務や練習で磨いた技術を競った。本県からは、大正水流博さん(株式会社大正水流)と中山直人さん(株式会社永幸電設)が出場し、大正水流さんが最優秀賞を獲得した。

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 大会は、電気工事技術者の技能習得意欲の増進や技術水準の向上、電気工事業の発展を期するために開催しているもの。九州電力や沖縄電力、九州電気保安協会、東芝ライテック、東芝電材マーケティング、全日本電気工事業工業組合連合会、白十字安全、電気技術者試験センターが協賛し、経済産業省九州産業保安監督部が後援した。

 大会委員長として開会式で挨拶した花元会長は、長きにわたる全九州技能競技大会の歴史や、今大会が来年11月に横浜アリーナで開催される全国大会の試金石となることを説明。「県大会とは異なる緊張感の中で、日頃から錬磨した各自の技能・技術を存分に発揮し、九州のてっぺんを目指して頑張って欲しい」とエールを送った。

 技能競技大会実行委員長の坂本康則氏が競技に関する説明を行い、「高度な九州の技術力を全国に示せるような素晴らしい作品を期待している」と述べた。出場選手を代表して、大正水流さんが「電気工事の技能をいかんなく発揮し、技術者として正々堂々と競技に取り組み、それぞれの代表として安全施工にあたる」と宣言した。

 選手は会場に設けられた各自の作業台に移動して競技を開始。今大会の課題は宮崎県大会と同様、金属管(E管)や合成樹脂管(VE・PF管等)、エコケーブル配線で「日向(ひなた)」の文字を表現するものとした。制限時間内に決められた箇所へ電源部やコンセント、LAN配線及びTV配線、人感センサー付のLED照明を配置した。

 競技終了後には、審査員が作品の通電試験とスイッチ操作を行って合否を判定。指定寸法や部材の取付状況、器具の欠損・傷の有無、電線敷設・引き込み方法、被覆剥ぎ取りといった技術レベルの評価に加え、作業時間や作品の出来栄え、作業中の安全管理体制、前日に行った学科試験の結果等を総合的に評価して、入賞作品を決めた。

 その結果、宮崎県代表の大正水流さんが最優秀賞を獲得。優秀賞に竹下修平さんと中村真人さん(いずれも熊本県)を選んだ。また、坂本久さん(鹿児島県)、石堂亮平さん(鹿児島県)、渕野諒介さん(佐賀県)、吉田三四郎さん(大分県)、岸本陽太さん(沖縄県)が入賞を果たし、宮崎県代表の中山さんは惜しくも入賞を逃した。

 表彰式で審査結果を講評した坂本実行委員長は、保護めがねの不使用といった不安全作業の排除や、各工程・各作業単位での清掃及びKYの徹底を指摘した。また、オープン参加した県立産業技術専門校の青山純也さんと徳留勇太さんの健闘を称え、「これからも更に技術を磨き、できるならば地元の企業に就職して欲しい」と呼び掛けた。

 再度、挨拶に立った花元会長は、各選手の作品がいずれも甲乙つけがたい内容であったことや、高レベルな過去の全国大会で九州の代表選手が優秀な成績を収めていることを紹介。各県の代表選手に対して、再度、技術の研鑽に努めてもらうよう呼び掛け、「九州、ここにあり!という力を発揮して欲しい」と期待を込めた。

 来賓祝辞で、新井憲一九州産業保安監督部長の挨拶を代読した本田悦久産業保安監督管理官は、「今後も安全で正確な電気工事の施工や後進の指導をお願いしたい」と挨拶。河野俊嗣宮崎県知事の挨拶を代読した藪田亨危機管理統括官は、「重要なライフラインの一翼を担っていることに誇りを持ち、更なる技術の研鑽に努めて」と呼び掛けた。

 県立産業技術専門校の金子洋士校長は、「今大会を通じて更なる一層の高みを目指し、九州の電気工事業界の発展に尽くしていただきたい」と挨拶。また、九州電力送配電カンパニー配電本部配電部配電管理グループ長の衛藤雅彦氏、東芝ライテック取締役電材営業統括部長も祝辞を述べ、全国大会に出場する選手の健闘を祈った。

 表彰では、花元会長や後援・協賛各者が表彰状と記念品を贈呈。全九州電気工事業協会の安田耕一副会長が「素晴らしい大会になった。全国大会でも存分に力を発揮して」と述べ、大会を締めくくった。来年11月に開催される全国大会には、九州ブロック代表として大正水流さん、宮崎県代表として中山さんがそれぞれ出場する。

 最優秀賞に輝いた大正水流さんは「リラックスして競技に臨み、県大会からのルール変更にも対応できた。目標としていた全国大会では、優勝を目指して頑張りたい」と話した。中山さんは「緊張して失敗した部分もあった。審査講評で指摘された箇所を踏まえ、全国大会に向けて必死に練習に励みたい」と意気込んだ。