一般社団法人日本塗装工業会宮崎県支部(朽木充嗣支部長)は11月25日、県立日向工業高等学校で2019年度「いいいろの日」奉仕活動を行った。建築科1年生の約40人を対象に、塗装業界の現状や塗装工事の内容について講話を行ったほか、熟練技能者の指導のもと、経年劣化していた教室の壁面を全員で綺麗に塗り直した。
日本塗装工業会では、毎年11月16日を「いいいろの日」と定め、各地でボランティア活動を展開。宮崎県支部では県内を3地区に分け、各地区の会員が地域貢献活動に取り組んでいる。これらの活動が高く評価され、社会貢献活動への取り組みが顕著な企業や団体を表彰する宮崎県の「社会貢献活動実践企業表彰」を受賞している。
いいいろの日の塗装奉仕活動に加え、担い手不足や熟練技能者の高齢化など多くの課題を抱える専門工事業の現状を踏まえ、宮崎県支部では2015年度から高校生を対象とした塗装体験学習を開催している。実際に作業を体験することで、塗装という仕事を身近に感じ、ひいては専門工事業に興味や関心を持ってもらう狙いもある。
25日に行われた体験学習では、朽木支部長が挨拶の中でこういった開催趣旨や塗装業界の現状を説明。講話を行った堂地隆一副支部長は、塗装の仕事に於いて技能的な面だけでなく、工程・安全・品質といった施工管理も重要であること、建築物だけでなく経年劣化が進む橋梁等の補修も塗装会社が請け負っていることを説明した。
講話後には、経年劣化で色あせた建築科の製図室と造形実習室、渡り廊下の腰壁部分を塗り替える作業を全員で体験。作業上の注意事項について説明を受け、養生で塗り替え対象外の箇所をビニールやテープで覆った。熟練技能者がムラのない綺麗な塗り方を指導し、刷毛やローラーを使って生徒達の手で対象箇所を綺麗に塗り替えた。
閉会行事で牧浩士副支部長は、建設産業全体で「給与・休暇・希望」の新3Kの実現を目指した環境整備に取り組んでいることを説明。「体験学習を通じて塗装の仕事に興味を持ち、将来の進路を決める際の参考にして欲しい」と呼び掛けた。生徒の代表は「貴重な体験になった。学んだことを学業や将来に生かしたい」と話した。