一般財団法人宮崎県消防設備協会(坂元耕三理事長)は1月17日、宮崎市内で協会創立40周年の記念式典と祝賀会を開いた。多数の協会員に加え、宮崎県総務部危機管理統括監の田中保通氏、一般財団法人日本消防設備安全センターの原田正司理事長ら多くの来賓が出席。出席者は創立40周年の節目を盛大に祝い、協会及び会員企業の更なる飛躍と発展へ意を新たにした。
昭和52年6月に財団法人として設立された宮崎県消防設備協会は、平成25年4月の一般財団法人への移行を経て、今年度で創立40周年を迎えた。記念式典で主催者を代表して挨拶に立った坂元理事長は、宮崎県をはじめ県下消防機関、関係団体、会員一同の協会に対するこれまでの多大な指導と支援に感謝の意を示した。
四十年の歩みを振り返った坂元理事長は、急速な社会変化に伴って消防用設備の多様化が進み、設置や維持管理の技術基準が強化されると共に、点検の確実な履行の促進を目的とした消防用設備点検済表示制度の普及推進に様々な課題がある中、関係行政機関の適切な指導の下、その時々の役員をはじめ、先人達が一丸となって苦難を乗り越え、県民の生命や身体の安全を確保し、被害の軽減に努めてきたことに敬意を表した。
一方で、近年は地震や風水害等の自然災害が激甚化しているだけでなく、グループホームや有床診療所等の火災で甚大な被害が発生したことを契機として消防法の改正が行われ、防火安全対策の強化が進められていることを指摘。消防用設備等の設置及び維持管理の適正化推進を目的とする協会の果たすべき役割が高まっていることを強調した。
坂元理事長は、社会に安全と安心を提供する役割の一端を担う協会として、消防設備等点検済表示制度を積極的に推進すると共に、各種講習や研修会を通じて業務に携わる消防設備士や点検資格者等の資質の向上を図り、社会的な安全と信頼の向上に向けて、より一層の努力を重ねていく必要性について言及した。
これを踏まえ「消防機関や関係業界に連絡・協調の場を提供する組織として、これまで以上に信頼され、役に立てるよう全力を傾注していく」と意気込みを語り、協会及び会員企業の発展に向けて、出席した関係者一同に更なる指導と支援を求めた。
表彰式では、協会理事として長きにわたり事業推進に貢献した清水正美氏(有限会社清水電設)、協会評議員として長きにわたり事業推進に貢献した伊地知訓氏(有限会社伊地知商会)、長きにわたって消防用設備の保守業務に携わる株式会社ナガタファイテックの3者に宮崎県消防設備協会理事長表彰が贈られた。
また、平成29年度の消防設備保守関係功労者表彰として消防庁長官表彰を受賞した前理事長の安田耕一氏(株式会社九南)、日本消防設備安全センター理事長表彰を受賞した▽片伯部剛氏(有限会社かたかべ電気)▽濵崎幸夫氏(株式会社武田ポンプ店)▽株式会社ヤマトボーデン―が登壇し、各者の功績に参加者一同から拍手が贈られた。
来賓祝辞を述べた宮崎県総務部危機管理統括監の田中保通氏は、消防用設備の適切な配置や維持管理、火災予防に関する普及啓発、消防設備士の育成など、協会の多岐にわたる取り組みに感謝の意を示す一方で、宮崎県内に於ける昨年の火災発生件数が一昨年と比較して大幅に増え、これに伴い多くの尊い人命が失われたことに言及した。
田中氏は、まずは火災を起こさないこと、火災が発生した場合には迅速な対応と通報が重要になると指摘。火災予防に対するセミナーの開催や火災報知器、通報装置、スプリンクラー、消火器等の設置・維持管理・点検など、協会及び会員企業の取り組みの重要性を強調し、県民の安全・安心な暮らしのために尽力してもらうよう呼び掛けた。
同じく来賓主事を述べた日本消防設備安全センターの原田理事長は、表彰受賞者をはじめとする会員一同が、それぞれの立場で長きにわたって地域の防火安全に貢献していることに敬意を表すると共に、センターが実施する消防設備点検資格者講習などの事業に協会が尽力していることに感謝の意を示した。
また、式典に県下消防機関の関係者が多数出席していることに触れ、「消防設備の点検という重要な職責を果たすためには、消防機関との密接な連携が重要になる」と指摘。これを踏まえ、「協会と消防機関が日頃から緊密な連携を図っていることを再認識した」と述べた。
原田理事長は、消防設備の着実な点検の推進と併せて、協会の活動基盤を充実する上で、消防用設備等点検済表示制度が重要な役割を果たすと強調。同制度を積極的に推進し、推進指導員等を通じて会員事業所の資質の向上にも努めている協会の取り組みに敬意を表し、「地域の防火安全の確保のため、これからも活動に邁進して欲しい」と述べた。
宮崎市消防団のラッパ隊の演奏で開幕した祝賀会では、坂元理事長の挨拶や来賓紹介、祝電披露の後、宮崎県消防長会の中原英二会長(宮崎市消防局長)の乾杯の発声で開演。ベリーダンス等が披露される中、会食や会話を通じて参加者は親交を深めた。安田前理事長の発声に合わせて万歳三唱を行い、更なる発展と飛躍へ意を新たにした。