宮崎県舗装協会(河野孝夫会長)は8月6日、宮崎県産業開発青年隊員を対象とした出前講座を宮崎県建設技術センターで開いた。産業開発青年隊の隊員約50人を前に、舗装に関する講義を行ったほか、ワークショップ形式のグループ討議では、地元就職や建設業の就労環境、魅力などをテーマに隊員達が意見を交わした。
舗装を含めた建設業界全体の喫緊の課題である若年労働者の確保・育成に向けて、昨年に続き開催したもの。舗装工事に関する技術的な講義のほか、コミュニケーション能力を身につけてもらおうと、ワークショップ形式のグループ討議を新たに盛り込んだ。
挨拶に立った河野会長は「若さは特権。若いうちに多くを学んで欲しい」と隊員に呼び掛けたほか、就職した際には他者とのコミュニケーション能力が必要になることを指摘。これを踏まえ、ワークショップ形式のグループ討議が「いい勉強になる」と述べ、出前講座が「皆さんの進む道を決める上での一助になれば」と期待を込めた。
舗装工事に関する出前講座では、舗装に快適性や安全性、耐久性が求められることやアスファルト舗装とコンクリート舗装の違いなどを説明。舗装工事に携わる現場代理人の一日の仕事の流れを示し、KY活動や機械及び材料のチェック、安全及び近隣への配慮、作業員の教育、翌日の段取りなどを行っていることを紹介した。
グループ討議では、隊員が7つの班に分かれて▽地元就職の魅力▽舗装工事のイメージ▽就労環境▽建設業を選んだきっかけ▽建設業が役に立っていること―の中から好きなテーマを選んで意見を交わした。各グループに加わった会員のコーディネートの下、隊員達はそれぞれの考えや思いを紙に書き込み、班としての意見をまとめた。
討議後には代表者が各班ごとにまとめた意見を発表。テーマとして選択した班が最も多かった建設業の就労環境に関しては、他県並みの給与への引き上げや休暇の充実を求める意見が多数あった一方、「自分の努力次第で給与はアップし、休暇も十分にもらえるのではないか」といった意見を発表した班もあった。
建設業を選んだきっかけでは「カタチや地図に残るモノをつくるという魅力」「建設業のことをもっと知りたい」といった意見を発表。建設業が役に立っていることは「縁の下の力持ちとして自然災害等から人の命を守っている」、地元就職に関しては「住みやすくて地元に貢献できる」などといった意見があった。
出前講座を総括した児玉清和副会長は、グループ討議で学んだコミュニケーション能力や企画力の重要性に言及するとともに、「出前講座を通じて建設業や舗装工事の魅力を認識してもらい、多くの方に舗装工事業に入職してもらえれば嬉しい。業界や企業としても、働きやすくて魅力ある職場環境づくりに努めていく」と話した。