株式会社竹中工務店の協力企業で組織する九州竹和会(中村政博会長)は、7月11日に宮崎ブーゲンビリア空港で高校生を対象とした「建設業魅力発信セミナー」を開催した。宮崎地区の協力会が主体となり、職人による講話や女性技術者によるパネルディスカッション、現場見学、施工体験等のイベントを行い、建設業の魅力をPRした。
建設業界の最重要課題である中長期的な担い手の確保及び育成に向けて、本県では平成28年度から開催しているもの。九州竹和会の中村会長は「イベントを通じて生徒や先生に現場を身近に感じてもらい、モノをつくる楽しみややりがいを知って欲しい。その上で建設業が将来の就職選択肢の一つになれば」と期待を込める。
セミナーには宮崎工業高校と日向工業高校の建築科2年生の生徒約70人が参加。仕事紹介で、ゼネコンと躯体・仕上・設備の各社の連携で現場が成り立っていることを説明し、建設業の魅力に達成感や日々の新鮮さ、技術の習得を挙げ、人が生活していく上で欠かすことができない、誇り高い仕事であることを強調した。
とび・土工を請け負う職人のスピーチでは、現場で働く人達が安全に仕事ができるよう、足場の組み立てなどを行っていることを説明。自身の些細なミスが大きな災害に繋がってしまうことに難しさを感じる一方、完成した建物を見上げた時、目に見えて「その工事に携われたことに感動する」と建設業で働く喜びを語った。
「ダイバーシティ」をテーマとしたパネルディスカッションには、竹中工務店と九州竹和会から、現場で活躍する4人の女性技術者がパネリストとして参加。九州竹和会の朽木充嗣宮崎支部長の司会進行の下、パネリスト4人が入職したきっかけや普段の仕事内容、就職に際してのアドバイス、今後の目標を思い思いに語った。
周囲とのコミュニケーションを問う生徒の質問には「失敗した時にこそ逃げずに自分から話し掛ける」と回答。高校生活で身に付けることに関しては、まずは今しかない高校時代を楽しみ、「若いうちに取れる資格はできるだけ取っておく」「実務経験が求められる資格もある。勉強をする習慣は身に付けて」とアドバイスした。
仕事をする上で心掛けていることに関しては「元気に笑顔で」「何事にも挑戦」「段取りよく計画的に仕事を進められるよう作業する」「言われたことは必ずメモを取る」「苦手なことでも後回しにしない」などと回答。また、一日の勤務時間や休日の取得を尋ねる生徒からの質問にも、パネリストが丁寧に回答した。
当日はこのほか、竹中工務店が施工した送迎展望用のウッドデッキや今月中のオープンを目指して工事が進む物販エリアを見学。施工体験では、電気配線や塩ビ管の切断・接合、タイルカーペット及びタイル貼り、珪藻土の塗り壁、鋼板レリーフの作成に挑戦するとともに、足場組立や高所作業車の試乗体験も行った。
セミナーに参加した宮崎工業高校の藤井成美さんは「施工管理は現場を走り回っているイメージだったが、実際に話しを聞いてイメージと違う面を知り、とても勉強になった」、同じく甲斐一馬さんは「男性社会と思っていた建設現場で多くの女性が活躍し、女性の視点から見た建設業を学ぶことができた」と話した。