県南地域初の高速道路となる東九州自動車道の日南北郷IC~日南東郷IC間が3月11日の16時に開通した。東九州道の一部として九州東部の広域的な連携を図り、地域住民の利便性向上や救急搬送等の命の道として、また、沿線地域への企業誘致及び観光振興、災害時の代替道路としての機能に大きな期待がかかる。
11日に開通した日南北郷IC~日南東郷IC間は、日南市北郷町大字郷之原と同市大字東弁分を結ぶ延長9㎞(幅員12m)の2車線道路。国と地方の負担で整備する新直轄事業方式を採用した、無料で通行できる自動車専用道路となる。規制速度は80㌔/時。1日当たりの計画交通量は1万9300台を見込む。
平成16年に新直轄方式による整備計画へと変更し、約14年間をかけて整備された。全体事業費は約200億円。当該区間には、全ての利用者に分かりやすい道案内を実現するため、高規格幹線道路網等に用いられている高速道路ナンバリングのうち、東九州道(清武~加治木)を示す「E78」が初めて設置された。
開通に先立ち、当日の午前中には北郷農村環境改善センターで開通式典を開催。関係者ら約300人が出席する中、式辞を述べた国土交通省九州地方整備局の増田博行局長は、今回の開通区間を含めて東九州道全体の供用率が83%になることに言及し、一日も早い全線開通を目指して、引き続き、努力していくと意気込みを語った。
宮崎県の河野俊嗣知事は、発生から7年が経過した東日本大震災で道路の果たす重要性が広く認識されたことを踏まえ、「未事業化区間を含む残された区間の早期整備へ心を一つにしなければならない」と訴えた。続いて、古川禎久衆議院議員、松下新平参議院議員、長峰誠参議院議員、蓬原正三県議会議長(代読)が祝辞を述べた。
日南市の﨑田恭平市長は、「心待ちにしていた高速道路の開通を迎え感無量」と万感の思いを込め、先人や関係者の努力と支援に感謝の意を示した。開通に伴う効果に地元の期待が高まっていることを踏まえ、ストック効果を見据えた施策を展開し、「日南の元気が宮崎、そして日本の元気に繋がるよう努力していく」と述べた。
式典後には、関係者一同が現地に移動し、テープカットやくす玉開被、通り初め、パレードなどを行った。現地ではこのほか、開通記念プレイベントとして、前日からウォーキングやファンランニング、自由見学、無料ふるまい、サイクリングなどが催され、参加者全員で路線の開通を祝った。11日の16時から一般車両に解放された。