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宮崎県建築士会がセミナー

 一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部の青年部と女性部は11月3日、宮崎市の青島で「第27回建築セミナー」を開いた。「遠い未来に残る建築@コンクリートで学ぶ」をテーマに、建築家・岡啓輔氏による基調講演や一般参加のワークショップを通じて、コンクリートの魅力やものづくりの楽しさを参加者にPRした。

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 青年部及び女性部が主催する建築セミナーは、建築士としての資質の向上を図るとともに、職能を生かしたまちづくりに寄与することを目的に毎年開催しているもの。27回目となる今回は、午前中にコンクリートを使った一般参加の体験型ワークショップ、午後から岡氏による基調講演の2部構成で行われた。

 このうち、青島神社能楽殿で行われた岡啓輔氏の基調講演は約60人が聴講した。岡氏は、有明高専建築学科卒業後、住宅メーカー勤務や土工、鳶、鉄筋、型枠大工等の現場経験を経て、結婚を機に東京都港区三田に土地を購入。2005年の着工から現在に至るまで、ほぼ一人の手で蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)を建て続けている。

 講演で岡氏は、自身の経歴やビル着工に至った経緯を紹介。コンクリートにこだわった建設中のビルが「200年持つ」といわれていることを引き合いに、「建築物の寿命の短さを改善すべき」と述べたほか、モノが飽和する時代であればこそ「自らで考え、自らの手でモノをつくることを真剣に考える必要がある」と持論を展開した。

 一方、多数の親子が参加したワークショップでは、コンクリートを使ったオブジェ造りに挑戦。岡氏がセメント、砂、水の配合を説明し、から練りや攪拌に協力して取り組み、ペットボトルやプラスチックのケースに詰め込んだ。ボトルをひねったり、ケースの表面にビー玉を埋め込むなどしてオリジナルのオブジェを完成させた。

 ワークショップ会場に隣接して、青年部のメンバーが「月」をモチーフとした直径1.3m、総重量約1.2㌧の球体のオブジェ作成に取り組んだ。中央を空洞にした球体を囲むようにして手作りの型枠を配置し、その隙間にコンクリートを流し込み、上部を円形に成形して作業を完了させた。2週間程度養生して型枠を外す。

 ワークショップに参加した子ども達にはこども建築士認定証のメダルが贈られ、参加した女子児童は「できあがりが楽しみ」と笑顔で話した。青年部の橋田部長は「体験することで、子ども達に協力してモノを造る大切さや造る過程の楽しさ、完成後の達成感を知ってもらいたい。建築の魅力を少しでも感じてもらえれば」と話した。