日向市の旭建設株式会社は10月31日、国土交通省延岡河川国道事務所の協力を得て、「トンネル点検・診断の技術講習会」を開催した。専門講師による座学や同社が補修工事を施工する国道10号市棚トンネルを見学するなどして、参加した同社及び行政の技術系職員がトンネルの劣化原因、点検・診断に関する知識を深めた。
高度経済成長期に建設された多くのトンネルや橋梁の高齢化が進む中、これらの点検や診断、補修などを含むメンテナンス分野の重要性が増していることから、同社が企画・開催したもの。講習会では、施工中の市棚トンネルで監理技術者を務める樫本健吾氏が、講習会の開催目的などを参加者に説明した。
講習会の講師は、株式会社共同技術コンサルタント福岡支店長で、技術士(総合技術監理部門、建設部門)や博士(工学)などの資格を有する松永昭吾氏。ホタルの里休暇村で行われた座学で、松永氏は「道路トンネル定期点検要領」について解説を行ったほか、トンネル点検の着眼点や変状事例などを紹介した。
その後、参加者は市棚トンネルの現場に移動。松永氏や工事担当者の説明を聞きながらトンネル内を観察し、高所作業車2台に載って、トンネル照明や付属物の近接目視、点検ハンマーによる覆工面の打音検査等を行った。講習後には、参加者からの質問に対して、松永氏らが分かりやすく回答した。