西都地区建設業協会青年部(橋本吉朗部長)が主体となり、10日に西都市立妻中学校で出前講座や体験学習が行われた。建設業魅力発信事業の一環として、同校の1年生160人余を対象に、業務内容についての講話やクイズ大会等を通じて建設業の魅力ややりがいを伝えた。
担い手不足が深刻化する建設業に於いて、若手技術者の確保や技術の伝承は喫緊の課題と位置付けられている。山積する課題の解消に向けて、県内建設企業の若手経営幹部らで構成する青年部連合会では、建設業のやりがいや魅力を若者に広く発信し、建設業を正しく理解してもらう「魅力発信事業」を各地で展開している。
妻中学校の体育館で行われた出前講座では、はじめに妻中学校の塩月和德校長が挨拶。出前講座の準備に取り組んできた西都地区建設業協会青年部のメンバーと宮崎県西都土木事務所の職員に感謝の意を示すと共に、生徒達に対して「今日の体験を、自分の将来に活かせるよう建設業について多くの事を学んで欲しい」と呼び掛けた。
西都土木事務所の森茂雄所長は、土木事務所で行っている仕事について紹介。道路や河川の維持管理を行う公共事業が、住民の安全で安心な暮らしを守る社会資本整備である事を説明したほか、現在の建設業が抱える課題である、担い手の不足等について話した。
続いて、西都土木事務所の担当者が公共事業の果たす役割や流れをスライドを使って説明。先進的取組としてドローンを使った測量や、ICT建機の現場での活躍などを紹介した。土木・建設業で働くことの魅力として、▽形に残る物をつくる=未来の基礎をつくる、地図に残る仕事▽地域の役に立てる=住民のよろこびを実感できる、仕事にやりがいを見いだせる―などの魅力を紹介した。
その後、西都地区建設業協会青年部が自主製作したDVDを全員で鑑賞。趣味のためだけに作業員として建設現場で平凡と働いていた二人の「オタク」が、先輩技術者から建設業の魅力ややりがいを学んでいく中で仕事に興味を持ち、苦労の末に現場代理人などとして独り立ちしていく姿を青年部メンバーが熱演。上映後に登壇した出演者は、自身が施工に携わった学校周辺の道路工事等の工法や工程等を写真を使って紹介した。
体験学習では、「建設業の知識を楽しく学ぶ」をテーマに、4択形式でクイズ大会が行われた。各問題の回答とともにわかりやすい解説が行われ、正解発表の度に生徒達からは大きな歓声が挙がった。
出前講座を受講した生徒の代表は「建設業が私たちの生活を守る仕事だという事を知り、楽しく学ぶことができた」と笑顔で話した。西都地区建設業協会青年部の橋本吉朗部長は「出前講座の前に、生徒達にアンケートを取っていたが、建設業に対するネガティブなイメージが多くみられた。本日の体験を通じて、建設業に対する悪い印象を払拭し、将来就職を考える際には建設業を選んでくれたら嬉しい」と述べた。