国土交通省九州地方整備局と宮崎県建設業協会、宮崎県土木施工管理技士会、宮崎県測量設計業協会らが共催する家族の現場見学会「おやじの日」のイベントが、11月30日に県北地区で開催された。建設会社や協力会社、発注者など建設現場に従事する親子が揃って現場を見学し、土木の仕事に対する理解や興味を深めた。
おやじの日は、就業者の高齢化や若手入職者の減少を背景とした将来の担い手不足に加え、3Kなど負のイメージを多く抱える建設業に於いて、子ども達に父親(おやじ)の仕事をもっと知ってもらい、土木工事に対する理解や興味を深めてもらおうと、九州地方整備局が建設関係団体と連携して2013年度から開催している。
今年のイベントには20組・57人の家族や関係団体などから約100人が参加。前田建設工業が施工する平底トンネル新設工事と、伊東建設が施工する深角東地区排水構造物設置工事の現場で行われた。
平底トンネルの現場では、坑内で延岡河川国道事務所の担当者が九州中央自動車道や高千穂日之影道路の整備状況を説明。前田建設工業の担当者は、約2年をかけて日之影町側から高千穂町側に向けて1665mのトンネルを掘削したことを説明したほか、トンネルの発破の模様や掘削工程を映像を使って解説した。
見学後は、コンクリートの厚さを高所作業車から確認したり、測量機器による距離当てクイズや重機の試乗体験、パトロールカーの見学、レンガと砂を使ったアーチ橋造りなどにも挑戦した。距離当てクイズでは表彰式も行われ、内容盛り沢山のイベントを通じて、参加者は楽しみながら土木に対する理解を深めた。
延岡河川国道事務所の田浦峰星所長は「トンネル内を歩いたり、建設機械の乗り心地などを体験し、親の働く現場を見学することで、建設業の仕事を理解し、誇りを持ってもらいたい」と話した。
イベントに参加した冨高工業の冨髙徹雄さんは「息子を現場に連れてきたのは初めてだったが良い思い出になった」と話した。息子の民人さんは「お父さんと一緒に参加できて楽しかった」、娘の桜子さんは「お父さんの仕事が人のために役立つ仕事をしていてすごいと思った。楽しかった」などと笑顔で話した。