建設産業の魅力を若者に知ってもらおうと、一般社団法人宮崎県建設業協会(藤元建二会長)は10月15日、県立宮崎工業高等学校建築科の1年生を対象とした現場見学会を開催した。大淀開発株式会社が施工する一般オーナーの別荘やサッカースタジアムの建設現場を見学し、参加した生徒は建設業に対する理解と興味を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区建設業協会)などに積極的に取り組んでいる。
15日には、新富町で工事が進むサッカーJFL「テゲバジャーロ宮崎」のホームスタジアム(敷地面積2万8356m2、メインスタンド=S造3階建延べ3181m2)の建設現場を見学。現場代理人の木之下誠氏が、県内初のサッカー専用スタジアムであることや、工事全体の概要、建物概要、工事の進捗状況などを説明した。
その後、生徒は2つの班に分かれて施設の内外部を見学。建物内部では、2階~3階の施工状況を見学し、万が一、火災が発生した際、鉄骨を倒壊から保護するため、断熱性に優れた耐火塗装やグラスウールを採用していることを説明した。建物外部では、芝生スタンドとなる法面の整形作業やフェンス設置作業の模様を見学した。
木之下氏は、「現場見学会を通じて、建物をつくる過程を体感してもらい、ものづくりの楽しさや完成後の喜びを知って欲しい」と期待を込めた。テゲバジャーロ宮崎の広報担当者は、「グラウンドと観客席の距離が近く、臨場感がある。サッカーを通じて宮崎に元気になってもらいたい。完成後には是非、遊びに来て」と呼び掛けた。
建設現場を初めて見学した建築科1年生の井野湧介さんは、「建設現場を間近で見ることができて、とても迫力があった。構造や内装、外観など、細かく考えながら建物を造っていることが分かった。将来は設計の仕事に就きたいので、見学会で学んだことを学校での勉強や将来に生かしたい」と話した。