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宮崎県建設業協会、現場見学会

 建設産業の魅力を若者に知ってもらおうと、一般社団法人宮崎県建設業協会(藤元建二会長)は10月29日、県立都城工業高等学校の建設システム科1年生を対象とした現場見学会を開いた。国土交通省九州地方整備局の砂防事業や宮崎県の道路事業、民間のマンション建設の現場を見学し、建設業に対する理解と興味を深めた。

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 宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区建設業協会)などに積極的に取り組んでいる。

 29日の見学会では、吉原建設株式会社が高原町で施工する「高千穂第3砂防堰堤改良工事」の現場を生徒が訪問。宮崎河川国道事務所大淀川砂防出張所の下窪和洋所長は、砂防堰堤が上流部で土石流を抑え込むだけでなく、下流域の河川の堆積土砂を減らすことで、豪雨時の洪水を防ぐ役割も果たしていることを説明した。

 工事概要を説明した監理技術者の増田泰久氏は、既設の砂防堰堤をスリット化するメリットなどを解説し、これまでに施工した同種工事の写真を使って工事の流れを示した。一方、入社6年目の同校の卒業生は、現場監督としての一日の仕事を紹介するとともに、週休2日の導入で休日にリフレッシュできていることを説明した。

 施工現場に移動した生徒は、作業で使用する重機について説明をうけたほか、鋼製スリット設置場所の既設コンクリートを壊ししやすくするため、コンクリートに亀裂を生じさせる破砕剤を注入するための削孔作業の模様を見学。建設現場で機械化やICT化が進み、生産性の向上や工期の短縮に繋がっていることを確認した。

 見学を終えた生徒の代表は、「普段見ているダムがどのように造られているかを学び、多くの人命を守る大切な工事であることが分かった」と話した。現場代理人の黒木斉孝氏は、「現場を実際に見学することで、土木の世界に興味を持ってもらいたい。将来、地元の企業で活躍する技術者になってもらえれば」と期待を込めた。

 当日はこのほか、大淀開発株式会社が施工する民間のマンション建築工事の現場や、株式会社木場組らが施工する県道飯野松山都城線金御岳工区道路改良工事の建設現場も見学した。