宮崎県立宮崎工業高等学校のインターンシップ(就業体験)が、宮崎市内を中心とした事業所で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、今年度の就業体験は屋外での作業が多い建築科と電気科のみで実施。生徒達が関連する事業所や現場等を訪問し、仕事の内容や魅力、勤労の大切さ、社会人としてのマナーなどを学んだ。
就業体験は、産業現場で実践的な知識や技術に触れ、専門教科に対する興味や関心を深めるとともに、生徒の主体的な職業意識を醸成することを目的に実施しているもの。建築科の生徒を対象とした就業体験には、一般社団法人宮崎県建築協会ら関係団体と会員企業が協力し、10月19日~22日にそれぞれの現場や事務所で行われた。
このうち、松本建設株式会社(宮崎市)が施工する宮崎県総合運動公園の津波避難施設建築主体工事の現場では、建築科2年生の三田井啓志さんが計測機器を使って正確な位置を割り出し、墨出しを行う作業に挑戦。型枠内部にコンクリートを打設する模様を見学したほか、測量実習やドローン飛行、CAD操作なども体験した.
三田井さんは、「実際に建設現場を体験してみて、これまで考えていた現場のイメージが変わった。専門用語などが飛び交い、とても勉強になった。今回の体験を、将来の就職先を決める際の参考にしたい」と話した。監理技術者の繁本剛氏は、「現場を肌で感じてもらい、建築業に対する理解と興味を深めてもらえれば」と期待を込めた。
一方、大和開発株式会社(宮崎市)が施工する宮崎市内の高層マンション建設工事の現場では、建築科2年生の生徒4人を受け入れ、設計図や施工図を用いた工事内容の説明と質疑、生コン打設状況の立会、仕上げ工種の作業の見学、施工計画書や工事写真に関する座学、計測機器を用いた敷地内測量、CAD体験などを行った。
生徒のうち増竹晃希さんは、「授業では教わらないことを学び、様々な職種の方が働く様子を見学できた。この体験を生かして、自分に合った仕事を見つけたい」と話した。現場代理人の松久保良介氏は、「施工管理の実際の仕事内容を理解してもらうと同時に、協力業者さんの働く姿を見てもらい、将来に役立ててもらえれば」と話した。