一般社団法人宮崎県電業協会(牛島宏会長)は10月29日、県立延岡工業高等学校の生徒を対象とした現場見学会を開催した。同校の電気電子科に通う1年生40人が、延岡市の上伊形トンネルや大人発電農業協同組合が運営する日之影町の大日止昴小水力発電所を見学し、各施設に設置された電気設備の仕組みなどを学んだ。
現場見学会は、上伊形トンネルの照明設備や非常用設備の機能や施工について学ぶとともに、日之影町大日止昴小水力発電所の水力発電の基本原理や特徴に関する知識を習得することを通じて、電気工事業に対する理解を更に深め、将来の職業を選択する際の参考にしてもらおうと開催されたもの。
開会式で挨拶した牛島会長は、「電気は目に見えないものであり、現場を見ることで頭の中でイメージしやすくなり、理解が進んだり応用が効いたりする。見学会を今後の勉強の一助にしてもらうと同時に、将来、電気のプロとして活躍される皆さんに、電気工事に対する関心や興味を深めてもらいたい」と述べた。
上伊形トンネルでは、東臼杵農林振興局農村整備課の横山雅敏課長、非常用設備を施工した旭陽電業株式会社の木下博徳現場代理人、照明設備を施工した西南電気株式会社の玉木翔馬現場代理人と須田智弘監理技術者が、それぞれ事業概要や工事概要などを説明。トンネル内の警報表示板や分電盤、照明、非常用設備などを見学した。
一方、大日止昴小水力発電所では、大人発電農業協同組合の田中弘道代表理事が、発電所建設の経緯や事業の概要を説明。発電所と取水設備に移動し、水力発電の原理や設備について学んだ。
生徒の代表は、「トンネルで節電のために電力消費を抑えるなど、色々な工夫が見られ、電気に対する関心が高まった。皆を支える電気工事士になって、社会に貢献したい」「電気工事士になりたいという夢があった。今回の体験を活かして、もっと電気の勉強をして、将来は社会の役に立ちたい」などと感想を話した。