岡﨑組グループ会社のひむか商事は13日、宮崎市内で「コンクリート構造物の品質向上と高耐久化のための知識と技術」と題したセミナーを開催した。講師を務めた国際建設技術研究所顧問の岩藤正彦氏がコンクリートの特性や欠陥の発生要因、配合設計、工事の適切な手順などを分かり易く解説し、受講した21人の技術者が熱心に学んだ。
高度成長期に造られたインフラの老朽化が進む昨今、環境負荷を低減しつつ良質な社会資本を継承する上で、コンクリート構造物の長寿命化や高強度化が求められている。セミナーは、現場で遭遇するコンクリートの不具合に総合的な技術をもって対応してもらおうと、九州建設サポート、MJT、インターウェーブ、岡﨑組が共催した。
講義の中で岩藤氏は、高度成長期に築造されたコンクリート構造物の不具合の多くが、低品質コンクリートや配筋不良に起因するとした調査結果を提示。これを踏まえ、コンクリートの特長や組成を説明し、劣化を防ぐために▽かぶりを大きく取る▽水セメント比を小さくする▽入念に締め固める▽表面を充分に養生する―などの手法を挙げた。
また、施工不良により発現する初期欠陥の要因や補修方法、ひび割れ現象の制御方法、工事の適切な手順と留意点、配合設計などについて、図解を用いて分かり易く解説すると共に、良い生コン工場の見分け方や暑中・寒中コンクリートの特長と対策、高耐久化に向けた取組事例、工事成績評定で良い結果を得るための工夫なども紹介した。
当日はこのほか、九州建設サポート、MJT、岡﨑組が各社の業務内容を紹介。九州建設サポートと岡﨑組は橋梁点検分野で業務提携を結び、得意分野を融合して幅広い点検・診断ニーズに応える体制を整えていること、MJTは本業であるクレーンや鉄骨工事に加え、新たに橋梁点検車を導入したことなどを紹介した。
セミナーを主催したひむか商事では、今後も同様のセミナーを継続的に開催していく予定でいる。