国土交通省は、道路橋の点検・診断に活用できる人工知能(AI)の開発に向け、2018年度中に「AI等開発支援プラットフォーム」を立ち上げる。土木技術者の正しい診断を蓄積した「教師データ」を同省が試作し、プラットフォームに参加するAI企業に提供、道路橋の点検・診断を効率化する民間のAI開発を促す。AI企業、ゼネコン、建設コンサルタント、道路管理者など、プラットフォームの開発準備ワーキンググループに参加する共同研究者を9月4日まで公募する。
インフラの老朽化が深刻さを増す中、定期点検が義務付けられた道路橋の点検コストの増加、熟練技術者の減少などが顕在化しつつある。国交省は、ロボットを活用した点検や点検の見落とし防止、効率的な点検調書の作成に加え、健全度や劣化要因の診断を担うAIの開発を支援する。
国交省はまず、点検結果から健全度を診断した技術者の正しい判断結果を蓄積する「教師データ」の試作版をつくる。開発支援プラットフォームに参加するAI企業にこの試作版を提供し、技術者の判断を支援するAIの開発を促す。
7月27日には、土木研究所が道路橋の点検・診断の効率化に関する共同研究者の公募を開始した。国交省は、土研の共同研究者となることをプラットフォームの参加要件とする考えだ。共同研究では、点検・診断に活用できるAI開発、試作版をベースとした教師データの整備などに取り組む。