▲写真は会合の模様
宮崎市庁舎の整備や今後のあり方を検討するにあたり、広く市民や関係者の意見を聴取する「宮崎市庁舎整備に関する市民懇話会」の初会合が、7月25日に宮崎市内で開かれた。会合では、市の担当者がこれまでの検討内容を委員に報告し、市庁舎が抱える課題等について意見を出し合ったほか、今後のスケジュール等を確認した。
防災拠点としての耐震性や洪水による浸水の可能性、分散化・狭隘化など、市庁舎が抱える課題を踏まえ、市は「推定耐用年数である平成40年(2028年)までは維持管理を行いながら現庁舎を活用し、その間、基金等の財源確保に努め、建て替えを含めた庁舎のあり方を更に検討する」とした庁舎のあり方に関する一定の方針案を示している。
会合で戸敷正市長はこれらの方針案を説明し、「将来の市の拠点となる庁舎をどのように整備すべきかを議論して欲しい」と挨拶。学識経験者や関係団体の代表、公募委員で組織する懇話会の委員に委嘱状を手渡した。懇話会の委員長には熊野稔氏(宮崎大学地域資源創成学部教授)、副委員長には松竹昭彦氏(宮崎県建築士会会長)が就いた。
会合では、現庁舎の課題を踏まえた大きな方向性として「更なる長寿命化」「庁舎の建て替え」を想定し、長寿命化の場合の改修費用を約134億円、建て替えの場合には場所や機能、入居部署等によって約214億円~約262億円と事業費を概算していることを説明。それぞれのパターンのメリットやデメリットを説明した。
また、大きな方向性を踏まえたスケジュール案についても説明。市民懇話会やシンポジウム等の開催を通じて、平成31~32年度に最終方針を決定し、長寿命化の場合は37年度以降に設計・工事、建て替えの場合は平成33年度以降に基本構想を策定し、平成35年度以降に基本計画・設計・工事を行うとの見通しを示した。
説明を聞いた委員からは、市庁舎整備に要する財源の確保や各総合庁舎との将来的な関係性、宮崎市都市計画マスタープランに於ける中核拠点の位置付けなどに関する質問が寄せられたほか、「将来の人口推移や来庁目的などの具体的なデータを示してもらい、共通の認識を持って議論を進めていくべき」との意見もあった。
懇話会は今回を含めて来年2月までに5~6回開催する予定。その間、今後の市庁舎のあるべき姿や先に示した大きな方向性について意見を交わす。来年3月までに懇話会としての意見をとりまとめ、市長に報告する予定でいる。