国土交通省は、直轄の橋梁・トンネルで試行する点検用ロボットの対象技術を拡大する。現場検証を行っていた橋梁7技術、トンネル4技術の評価結果を4月までに公表。同省の要求性能をクリアした技術は2018年度から直轄の点検で試行し、点検記録の作成を支援する。4月には点検用ロボットの要求性能を示した上で、新たに現場検証を行う類似技術の公募も開始する。
国交省は、インフラの点検用ロボットの現場検証を14年度から行っており、既に橋梁分野で1技術を試行済み。17年度は橋梁7技術、トンネル4技術を対象に供用中の橋梁・トンネルで現場検証を行っている。
現場検証では、橋梁で「損傷写真の撮影」、トンネルで「変状写真の撮影」の性能をチェックしており、人による近接目視とロボットの判読可能率を比較し、4月までに評価結果を公表する。
国交省が提示した要求性能を満たす技術は、18年度から橋梁・トンネルの点検で試行する。ロボットの点検結果は、3次元モデルで電子納品し、損傷の抽出と判別を自動化するAI(人工知能)の開発に役立てる。
国交省はまた、類似技術の公募に向けた点検用ロボットの要求性能案を3月14日に公表し、意見募集を始めた。既に現場検証を行った損傷・変状写真の撮影を除く、損傷写真の整理、損傷図の作成、損傷程度の自動判別などで評価指標を示している。
従来の点検手法とのコスト比較も行うことにしており、4月にも橋梁・トンネルでそれぞれ対象技術を公募、新たに現場検証を行う見通しだ。