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野球場、体育館等の整備検討 日向市スポーツ施設整備構想案

 日向市は、今後のスポーツ施設の在り方の方向性や整備等に関する基本的な考え方を示した「日向市スポーツ施設整備基本構想(案)」をまとめた。市内スポーツ環境の更なる充実を図ると共に、2巡目宮崎国体及びプロスポーツキャンプの誘致等を見据え、お倉ケ浜総合公園に野球場、大王谷運動公園に総合体育館の建設を検討するほか、その他のスポーツ施設の機能強化や耐震化等を図る。

 市を取り巻くスポーツ環境は、各地に整備された公園や広場等で幅広い世代による活発な活動が行われているが、経年に伴う施設の老朽化が進み、適正な維持管理が求められている。また、少子高齢社会の到来や健康志向の高まりにより、スポーツ環境に対するニーズも多様化し、競技団体や市民等からの施設充実に対する要望も多い。

 構想案では、平成31年の全国高等学校総合体育大会南部九州大会や翌年の東京オリンピック・パラリンピック、平成38年宮崎国民体育大会など大規模大会への対応やプロスポーツキャンプの誘致等を見据え、スポーツ活動の拠点となる施設の充実を図るとともに、災害時の防災拠点となる総合体育館についても、その方向性を示している。

 市が保有するスポーツ施設の現状や課題を踏まえ、将来像に掲げる「市民誰もがスポーツを体感できる施設づくり」の実現を目指し、拠点施設となるお倉ケ浜総合公園及び大王谷運動公園、その他のスポーツ施設に於いて「市民満足度に寄与する施設」や「市外からの流入により地域経済の発展に寄与する施設」を優先的に整備していく。

 お倉ケ浜総合公園に関しては、施設充実の市民ニーズが高く、キャンプや合宿誘致により地域活性化が期待される野球場を優先度が高い施設に挙げる。大王谷運動公園野球場との集積整備を検討し、プロ野球の公式試合が開催できる収容人数5千人~1万人程度の規模を想定。類似施設や収容人数を考慮し、建設費は15~20億円程度を見込む。

 このほか、ソフトボール競技等の大規模大会を誘致できる運動広場の機能強化、Jリーグキャンプ誘致や高校総体・国体等を見据えた多目的広場の改修、プロ野球及び社会人野球キャンプ等を誘致できる屋内運動場の機能強化、テニスコートの増設・改修、利便性向上に向けた設備等の充実及び津波避難対応の強化なども検討する。

 一方、市民から多くの要望が寄せられている総合体育館に関しては、現体育センターの課題である施設規模や老朽化対策を考慮した市民スポーツの拠点として、各種大会の開催誘致を可能とする施設規模を有し、さらには南海トラフ巨大地震等による災害時の防災拠点として、大王谷運動公園へ施設整備を行う必要があると位置付けた。

 現体育センターの稼働率は100%(平成28年度実績)と市民利用が多く、新しく整備する総合体育館は2巡目宮崎国体の競技会場になることが想定されるため、アリーナ面積を約2400m2(バレーボール4面、バスケットボール3面)とし、既存施設の老朽化が進む武道館の併設も検討する。類似施設を参考とした建設費は30~40億円程度。

 施設整備に係る財源に関しては、学校施設環境改善交付金や社会資本整備総合交付金など国の交付金や補助金等の活用を検討し、残事業費については建設基金の積み立て及び地方債等の活用を検討する。財政運営の効率化に向けて、PPP/PFI手法等の民間活力の導入についても検討し、財政負担の平準化及び資金調達の多様化を図る。

 厳しい財政状況や2巡目宮崎国体の開催を踏まえ、各施設の整備は短期(平成30年~32年)、中期(平成33年~37年)、長期(平成38年以降)の3期に分けて順次実施していくことを検討する。野球場は中期~長期、総合体育館は短期~中期の整備を計画し、市内各地域にあるその他の体育館では、継続的に耐震補強等を実施する。

 日向市スポーツ施設整備基本構想(案)は、市民情報室やスポーツ振興課、市のホームページで公開し、市内在住者や勤務者等を対象に4月9日まで意見を募集する。

日向市スポーツ施設整備基本構想(案)