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工事事故防止にAI活用 SASデータを解析

 国土交通省は、工事事故の要因、背景をAI(人工知能)で解析し、現場の事故防止に役立てる検討に入った。同省の「建設工事事故データベース」(SASデータ)には、公共工事の施工中に発生した約1万6000件の事故情報が蓄積されており、このデータをAIで解析し、現場状況に合ったきめ細かい事故防止対策につなげる。

 SASデータは、直轄工事や自治体工事などで発生した工事事故(労働災害、もらい事故、死傷公衆災害、物損公衆災害)の情報を蓄積したもので、1993年に運用を開始。17年10月末時点で1万5741件の事故情報を登録している。

 国交省はこれまでも、登録された事故情報を分析し、毎年6月に事故発生の傾向や対策をまとめ、各出先事務所などに周知している。

 この事故情報の分析にAIを活用することで、事故の発生を未然に防ぐ対策を立案できるようにする。SASデータには、工事の種類や被災者の年齢、事故発生時の時間帯・天候・工事進捗など多岐にわたる情報を蓄積している。AIでこれらの情報を効率的に解析し、現場の状況や日時、施工に従事する作業員などに応じた、きめ細かな対策につなげる。