宮崎県が実施する公共事業を評価する「宮崎県公共事業評価委員会」(谷口義信委員長=宮崎大学名誉教授、委員10人)の平成29年度第3回会合が14日に開かれた。会合では、県土整備部の街路事業・蚊口高月線中央通工区の事後評価を審議したほか、県土整備部及び農政水産部がそれぞれ実施した事後評価の審査結果について報告を受けた。
公共事業評価は、事業の必要性と効果について客観的な評価を行うことにより、効率的・効果的な社会資本の整備を実現するために実施するもの。評価の体系は、事業着手前に重要度や投資効果等を評価する事前評価、着手から一定年数経過時点で進捗状況や効果等を把握する再評価、事業完了後に効果や影響等を確認する事後評価に分かれる。
事後評価の審議対象となった街路事業・蚊口高月線中央通工区(高鍋町、延長520m)は、交通混雑の解消や歩行者自転車の安全確保、避難路として機能する道路整備を目的として平成14年度に事業に着手。約28億円を投じて車道の拡幅や両側歩道の設置、交差点への右折レーン新設等に取り組み、24年度に事業を完了させた。
当該工区の整備に伴い、蚊口高月線に於ける交通事故の発生件数が約5割減少するなど、車両や歩行者自転車が安全に通行できる効果が発現している。地元からは「車道拡幅や交差点の改良により車両の流れが良くなった」「歩道が整備されたことで児童が安全に通学できるようになった」といった声も寄せられている。
当該工区の整備によって事業目的に掲げた所定の効果が得られていることから、県は「今後の更なる事後評価や改善措置の必要性、同種事業の計画・調査のあり方及び事業評価手法の見直しの必要性はない」と説明し、委員もこれを了承した。
会合ではこのほか、県土整備部の道路事業5件(国道265号仲塔工区・国道268号石瀬戸工区・国道327号日向バイパス・国道503号八重工区・緒方高千穂線東岸寺工区)と河川事業(北川・小川・多良田川)、農政水産部の経営体育成基盤整備事業中今泉地区、畑地帯総合整備事業南今泉地区及び七野・八重地区、水産流通基盤整備事業大堂津地区の事後評価審査結果について担当者から報告があった。