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将来の都市像実現へ都市計画マスタープラン案 綾町

 綾町は、今後の都市計画・まちづくりの基本方針となる「綾町都市計画マスタープラン(案)」をまとめ、ホームページで公開した。20年後の平成49年を目標年次として、町内の都市計画区域内を対象に、長期的な視点に立ったまちづくりの指針に基づく取り組み等を整理する。1月22日から2月23日までパブリックコメントを実施する。

 案では、町の現況や課題、将来の人口予測及び都市構造等を踏まえ、目指すべきまちの姿を「自然と共に生き、人と共に生きるまち、綾」と設定。将来像の実現に向けて、▽まちなかにおける環境施策の総合的推進▽コンパクト+ネットワークの形成▽親子3世代・次の世代が楽しく暮らせるまちづくり―を施策の方向性に掲げる。

 これを踏まえた土地利用に関する取り組みでは、老朽化した用排水路や農道等の基盤整備、快適で安全な住環境の創出、まちの中心部を水と緑のネットワークで繋ぐなど生物に配慮した空間整備、歩行者・自転車に優しい空間づくり、新たな就労形態に対応した環境整備と普及促進、中心市街地の空き店舗活用等に対する創業支援等を推進する。

 交通施設に関しては、町内地域や近隣市町と連絡する需要な道路ネットワークの構築・強化を図る一方で、社会経済情勢の変化によりその必要性が低下した長期未着手の都市計画道路の見直しを進める。また、町民の安全で快適な生活環境の基盤である町道について、生活者目線での再整備と維持管理を計画的に進める。

 ユネスコエコパークに相応しい都市空間の形成・強化として、中心市街地に緑・水辺・休憩施設等を積極的に整備すると共に、町の玄関口に緑陰(タウンゲート)を配置するなど、公園緑地の取り組みを進める。町民や自然環境に配慮した都市計画公園の整備と機能拡充、憩い・やすらぎ・体験できる水辺空間の創出にも努める。

 町の上水道普及率は概ね100%を達成し、水質や水量は良好に保たれているが、配水管や水源等の施設の老朽化が進んでいることから、今後の安定供給に資する取り組みを進める。下水道については、都市計画区域内の用途地域を中心に計画的に公共下水道事業を進めると共に、集落部に於いて合併処理浄化槽の普及促進を図る。

 市街地整備に関しては、中心市街地のメインストリートである県道宮崎須木線をはじめとするまちなか道路の景観形成に向けて、電線地中化・緑陰化・自転車レーンの整備等を進める。また、歩いて楽しめる都市空間を形成するため、カラー舗装や石畳の導入、ベンチ・街灯・ポケットパーク・公設駐車場の設置等を検討する。

 災害に強いまちづくりとして、山間部の地すべり箇所、急傾斜危険箇所、河川危険箇所等の点検・調査・整備を実施すると共に、排水ポンプ場や河道掘削等の整備を国や県に要望する。オープンスペースの避難地、防災公園、避難路・緊急輸送道路の整備を進めるほか、老朽木造住宅の密集した市街地の面的整備も推進する。

 また、道路・橋梁・河川等の公共施設について耐震性の向上を図ると共に、上水道等のライフラインの耐震化や不特定多数の者が利用する建築物の耐震改修を推進・促進する。これらの施設の機能強化と併せて、エネルギー供給や情報通信、交通・物流手段等の緊急時に備えたバックアップ施設・システム整備等にも取り組む。

《綾町都市計画マスタープラン案》