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当初予算6年連続増加、公共事業費は安定確保 政府

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▲公共事業費の推移

 政府は12月22日、2017年度補正予算案と18年度当初予算案を閣議決定した。18年度当初予算案の一般会計に盛り込まれた公共事業関係費は、前年度を26億円上回る5兆9789億円(前年度比0.04%増)となり、13年度以降6年連続で増加。当初予算で安定的に公共事業費を確保する流れを継続させた。一方、17年度補正予算案の公共事業関係費は1兆0003億円で、前年度に続き1兆円を超える規模となった。

 当初予算の公共事業費は1997年度の9兆7447億円がピークで、2000年代に入って減少傾向が続いた。民主党政権時代の12年度には4兆5734億円と5兆円を割り込んだが、自公政権下で編成された14年度当初予算以降は5兆9000億円台で安定的に推移している。

 18年度当初予算案もこの流れを堅持し、微増ながらも安定的な予算を確保。生産性向上のためのインフラ整備、豪雨・台風災害を踏まえた防災・減災対策に予算を重点的に配分している。

 公共事業関係費を計上している6府省の予算を見ると、国土交通省が0.04%増の5兆1828億円を計上した他、農林水産省が0.4%増の6860億円、環境省が前年度と同額の484億円、内閣府が2.3%減の416億円、厚生労働省が5.3%減の179億円、経済産業省が3.2%減の22億円とした。

 公共工事の施工時期を平準化する国庫債務負担行為は、国交省が2カ年国債に約1700億円、国交省・農水省がゼロ国債に合計約1400億円を確保している。また、東日本大震災復興特別会計には、復旧・復興関連の公共事業関係費として6015億円(11.2%減)を別途盛り込んでいる。

 一方、17年度補正予算案は、歳出総額2兆7073億円のうち、公共事業関係費に1兆0003億円を配分。建設国債1兆1848億円を発行して財源に充てる。公共土木施設の災害復旧に2907億円、自然災害リスク回避のための防災・減災対策に4822億円、学校施設の防災・減災対策に862億円、農業農村整備事業に984億円などを盛り込んでいる。

 18年度当初予算案と17年度補正予算案は年明け1月に開会する通常国会に提出される。補正予算案は成立後、17年度中に予算執行を開始する。