国土交通省は12月1日、九州北部豪雨の被害を受けた国管理・県管理河川で「九州北部緊急治水対策プロジェクト」を実施すると発表した。再度災害の防止・軽減を目的に、2022年度までの事業費を1670億円と想定し、河川・砂防の改良復旧工事により治水機能を強化する。筑後川水系の赤谷川では、福岡県の要請に応じて権限代行制度を適用し、直轄で事業を実施する。
九州北部豪雨で被害を受けた福岡県、大分県内の約200河川で、河川事業(河道掘削、築堤、護岸など)と砂防事業(砂防堰堤、遊砂池など)の連携して進め、治水機能を向上させる。洪水に特化した低コストの水位計(危機管理型水位計)の設置も推進する。
17~22年度の事業費は総額1670億円。このうち、被害が最も大きかった筑後川水系には1620億円を充て、直轄事業に285億円、県・市町村事業に1336億円を配分する。
大量の土砂・流木による被害が生じた筑後川水系の赤谷川、大山川、乙石川では、河川法に基づく権限代行制度を活用する。石井啓一国交相は1日、小川洋福岡県知事らと面会して権限代行を実施することを表明。今後5年間で事業費336億円を投じ、直轄で河道整備や流木などの貯留施設整備を進めるとしている。