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お倉ヶ浜を「ビーチスポット」に サーフタウン日向基本構想

 全国有数のサーフィン環境を活用した地域経済の活性化を目指す日向市は、サーフィンやビーチレジャー等の環境整備に関する将来計画と位置付ける「サーフタウン日向基本構想」を策定した。市外からの交流人口や移住者の増加を目的に、現状の課題整理や将来の整備方針を踏まえ、お倉ヶ浜を候補地にトレイルランやホテル・合宿所、ビーチハウス、イベント広場等を有する新たなビーチスポットの整備を検討する。

 日向市では、地方創生の取組方針である「元気な”日向市”未来創造戦略」の一環として、お倉ヶ浜や伊勢ヶ浜、金ヶ浜など全国屈指のサーフスポットを有する市ならではの魅力を発信するプロジェクト「リラックス・サーフタウン日向」に取り組んでいる。

 温暖な気候や豊かな自然環境という市の特性を生かした地域活性化として、市外からの交流人口や移住者の増加を図ると共に、サーフィンをしながら働きたい・学びたい人への情報提供や相談・サポート体制を構築し、定住人口の増加を図るため、将来の環境整備に関する指針となる「サーフタウン日向基本構想」を策定した。

 構想では、基本理念に掲げる「リラックス・サーフタウン日向」の実現に向けて4つの基本目標を設定。各目標に沿って、行政を中心としてハード整備を重点的に行う「ビーチスポットプロジェクト」、事業者・民間企業や市民を中心とした「リーディングプロジェクト」を双方から実行することを想定している。

 ビーチスポットプロジェクトに関しては、短期的に増加が予想されるサーフィン人口に対応するための海水浴場周辺の利用環境の充実、新たな利用者・観光客等を呼び込むための憩いの空間の整備、海岸沿いの保安林の機能を活かした一帯の賑わい創出、大規模災害の発生に備えた防災拠点の整備などを基本的な考え方とした。

 浜辺の拡張性や公有地の有無等を踏まえ、お倉ヶ浜を新たなビーチスポット整備の候補地として定め、区域を5つにゾーニング。このうち、お倉ヶ浜総合運動公園と連携させる公園連携ゾーンにはホテルや合宿所、ビーチハウス、管理棟、キャンプサイト、ウミガメ環境学習施設などを導入することを検討する。

 現在も多くの人が利用するビーチレジャーゾーンでは、駐車場の拡張やイベント広場、店舗、バーベキュー施設等の導入を検討。森林レジャーゾーンにはトレイルランコースや森林散策道を設ける考えでいる。サーフィンを中心としたマリンレジャーゾーンと憩いの自然ゾーンは、既存機能を活用して各ゾーンの形成を図る。

 一方、事業者や市民を中心とするリーディングプロジェクトに関しては、サーファー向け宿泊施設及び宿泊プランの整備やサーフィンと市内観光地を絡めたツアーの企画、国内外のサーフィン大会・合宿の誘致、ビーチイベントの開催、海辺学習やサーフィン体験を盛り込んだ修学旅行の誘致、市内飲食店デリバリー制度の導入、市民サーファーの育成、新たな情報発信ツールの構築などを想定している。

 構想の推進に向けて今後は、▽関係者・関係機関・関係法令との協議や調整▽防災性・法規制・自然環境等を踏まえた具体的な整備計画の策定▽整備・運営方法の具体化▽地元の機運の醸成▽周辺及び市内他エリア、周辺市町との連携▽定住・雇用・地域経済活性化のサイクルの定着―などに取り組んでいく考えでいる。

《サーフタウン日向基本構想》