国土交通省の有識者会議は、機械式駐車装置の安全対策に関する提言案をまとめた。重傷や死亡に至る重大事故が頻発している機械式駐車装置の安全性を確保するため、製造者に対するJIS規格の周知徹底、優良な点検業者の登録制度創設などを提言。これらの対策の効果を検証し、必要に応じて関係法令による規制を強化することにも触れた。
マンションの敷地内など、全国に約26万基が設置されている機械式駐車装置をめぐっては、装置内に人がいる状態で作動したことによる死亡・重傷事故が過去10年で少なくとも36件発生。安全確保上の措置が徹底されていない。
駐車場法では、一定規模以上の路外駐車場の構造・設備に技術基準を定め、定期的な点検を求めているが、機械式駐車装置は対象ではない。製造者がJIS規格を満たすことも任意だ。
有識者会議では、製造者がJIS規格を満たす重要性を周知すべきと提言し、周知が徹底されない場合は法令による規制強化を図ることを要請。
設置後の点検については、標準的な点検項目と判断基準を定めるとともに、優良な保守点検業者を選択する目安となる登録制度を創設すべきとした。点検が適正に行われなければ、第三者が安全性の維持を確認する制度を設ける必要性も指摘している。