建設ネット企画画像 四角 四角

2017年度の建設投資 前年比1.4%増の53.2兆円

 建設経済研究所と経済調査会は、2017年度の建設投資(名目値)が前年度比1.4%増の53兆2300億円になるとの見通しを明らかにした。7月時点の推計よりも民間の住宅投資と非住宅投資が上振れするとみて、1200億円の上方修正を行った。この見通しには、年内にも編成されるとみられる17年度補正予算は含んでいない。また、18年度の建設投資は3.2%減の51兆5500億円の見通し。18年度概算要求に想定を上回る復興予算が盛り込まれたことから、5300億円を上方修正した。

 17年度の政府建設投資は3.3%増の21兆7800億円で7月の推計と変わらず。16年度の補正予算に盛り込まれた政府建設投資が、17年度にも一部出来高として実現すると想定している。18年度の政府建設投資は7.8%減の20兆0800億円で、復興予算が想定を上回ったことから、4600億円上方修正した。17・18年度のいずれも、17年度補正予算の影響は加えておらず、予算額が明らかになりしだい反映する。

 一方、民間住宅投資については、17年度の着工戸数は1%減の96万4000戸で、7月時点より2200戸上乗せ。持家は0.4%減の29万1000戸、貸家は3.4%減の41万3000戸、分譲住宅が2.4%増の25万5000戸だった。

 18年度の住宅着工戸数は0.1%増の96万5000戸と予測し、7月時点から2600戸上方修正した。持家が4%増の30万2000戸、貸家が1.9%減の40万5000戸、分譲住宅が1.4%減の25万2000戸になるとしている。18年度の着工戸数には、19年10月に見込まれている消費増税に伴う駆け込み需要の影響も含まれている。

 17年度の民間非住宅投資は、企業収益の改善や個人消費の緩やかな持ち直しを背景に1.9%増の16兆円と800億円を上方修正。用途別の着工床面積では、事務所が13.7%増の660万m2、工場が10.3%増の900万m2と伸び率が高い。18年度は0.5%減の15兆9200億円と300億円を上方修正しており、高い水準で推移するとみている。