▲写真は挨拶する工藤会長、研修会の模様
一般社団法人宮崎県法面保護協会(工藤勝利会長)は18日、宮崎市内で平成29年度の「労働安全研修会」を開催した。研修会には会員企業の技術者ら30人が参加。労働災害の現状や具体的な防止対策について講師から説明を受けたほか、ロープ高所作業時に於ける安全管理の手法などを熱心に学んだ。
協会主催の労働安全研修会は、法面・斜面工事等に従事する会員企業の技術者を対象に、現場の安全管理に役立ててもらおうと毎年開催されているもの。調査・設計から施工までを安全かつ円滑に行うために必要な知識や技術の習得、施工の信頼性向上、品質及び安全確保を図ることを目的としている。
主催者を代表して挨拶に立った工藤会長は、本県に於いて死亡労働災害が多発している現状を危惧。建設業は特に危険と隣り合わせの産業であり、日頃から安全に対して確たる心構えが必要であることを強調し、「一人ひとりがしっかりとした気持ちと姿勢を持ち、作業に取り組んで欲しい」と訴えた。
研修では、宮崎労働基準監督署安全衛生課の山本健太地方産業安全専門官が、前日に協会担当者と合同で実施した安全パトロールの結果を報告。親綱等の取付場所に対する注意を促すと共に、作業環境(危険)の見える化に努めるよう呼び掛けたほか、県内で発生した災害事例の発生原因と再発防止対策を紹介した。
近年の法改正等に関する講話では、ことし7月に義務化された足場の組立て等特別教育について説明。危険化学物質のラベル表示及び安全データシート(SDS)の交付義務対象に、来年7月からポルトランドセメントやアスファルトが追加されることを踏まえ、化学物質等に於けるリスクアセスメントの手法等を説明した。
一方、ロープ高所作業の安全管理について講演した佐藤郁朗氏(工藤興業)は、ロープ高所作業に関する改正労働安全衛生規則(平成28年1月)の変更点を説明。作業時の留意点を紹介すると共に、墜落・転落災害を防止するためのポイントに▽安全な通路と作業床の確保▽作業手順の理解と遵守▽作業場所の整理整頓―を挙げた。