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空き地活用で提言、官民でルールづくり 国交省

 国土交通省の「空き地等の新たな活用に関する検討会」は6月15日、空き地の適正管理と活用に向けた提言をまとめた。提言では、住民に最も近い市町村が空き地の実態を把握し、データベースを整備する必要性を指摘。また、宅地建物取引業者や建築士などの関係者と「空き地等協議会(仮称)」を設置し、官民共同で空き地の管理・活用に関するガイドラインを策定することも求めた。

 空き地は、人口減少によって地方都市を中心に増加。国交省の調査では、世帯が所有する空き地は981平方㌔㍍に上り、この10年で300平方㌔㍍増えた。空き地の土地評価額は合計で3兆0950億円になるという。

 提言では、この状況を放置すれば、地方都市の中心市街地や都市郊外の宅地でも、地域の活力や住環境が損なわれると懸念。空き地を地域の資源として活用し、空き地の増加を抑制する必要性を訴えている。

 具体的には、市町村が空き地のデータベースを構築して宅建業者や民間の土地利用者などの外部に提供することを提案。管理が困難な空き地の所有者に対する相談窓口を設け、管理会社にあっせんすることも求めた。

 また、市町村が空き地の管理・活用の方針を示したビジョンをまとめることも提言。このビジョンに従い、官民一体で空き地を管理・活用する「空き地等協議会(仮称)」も設ける。協議会には▽宅建業者▽設計事務所▽建設会社▽NPO法人▽まちづくり団体―などの参加を募る。

 これら当面の対策を講じる一方、中長期的に検討すべき課題も提示した。所有者不明の土地など、相続を契機に土地が放棄される事例も増えているため、国・市町村が所有者からこうした土地の寄付を受け入れることも、改めて検討すべきとした。