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付加価値向上チャレンジ企業 創宮など3社を選定

           

▲写真は交付式の模様
 宮崎県は、人的資本経営を推進し、企業と従業員の所得向上を図る成長戦略の実践を通じて本県経済をけん引する「付加価値向上チャレンジ企業」に、れんが製造業・建設業の創宮株式会社(都城市)ら3社を選定した。12月22日に県庁で選定証交付式を開催し、佐藤弘之副知事が各企業の代表に選定証を手渡した。

 不確実性の高い経営環境や深刻化する人手不足に対応し、企業としての成長を図るため、人やブランド、知財などの無形資産や有形資産への果敢な投資を通じた価値向上に資する成長戦略を描き、労働生産性の向上を目指すとともに、人的資本経営を志向し、企業と従業員の所得向上を目指す企業を選定するもの。

 選定されるためには、「付加価値や労働生産性を向上させるなどの目標が明確で、実現に向けた中長期事業戦略・経営計画を有している(検討している)」「自社の事業戦略に連動した人材戦略を有している(検討している)」「業務プロセスの効率化や省力化に取り組んでいる(取り組む予定)」などの基準を満たす必要がある。

 選定企業に対しては、経営戦略や人材戦略等の策定支援及び実装支援等の伴走支援のほか、▽課題等を踏まえた事業計画や戦略の整理▽課題等への対応方針の提供、専門家派遣による課題解決支援▽新たなビジネスモデルの実現に向けた総合調整▽ベンチマーク企業への同行視察▽定例訪問による相談対応―といった支援を行う。

 創宮は、付加価値向上のため、特殊マグネットで簡単に扱うことができる「マグネットブリック」やレンガの保水性と蒸散作用を活かした「サウナブリック」など、施工性とデザイン性を両立した高付加価値製品の開発に加え、工程の可視化やレイアウト及び在庫数の最適化により、同じ人員・設備でより多くの生産を可能にすることを目指す。

 また、スキルに応じた明確なキャリアパスと賃金体系の構築、安全・品質・段取りに関する体系的な教育プログラムの実施、女性が働きやすい環境整備などを通して、誰もが成長できる機会を提供するとともに、職人技術のデジタル化により、技術を次世代へ確実に継承するための仕組みを構築する。

 交付式で佐藤副知事は、「人的資本経営の推進や賃金・価値の向上、良質な雇用の確保を通じて、地域経済をけん引してもらいたい」と期待を寄せた。創宮の仙臺晄士専務は、「環境への配慮やデザイン・機能性に優れた新商品の開発、多角的な事業展開を行い、地元に愛され、必要とされる企業になれるよう精進したい」と話した。