日向市の旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役)は12月11日、県立延岡工業高等学校の土木科1年生を対象とした「ICT施工特別授業」を開講した。参加した37人の生徒達が、3次元データの活用や建設機械の自動化、遠隔操作といった最新のICT施工について、座学や現場見学を通じて理解と見識を深めた。
ICT施工特別授業は、高千穂町内で同社が施工する「宮崎218号薑谷地区改良工事」の現場事務所で開催。座学では、監理技術者を務める江藤登美宣土木部次長が、九州中央自動車道の概要や整備状況、開通に伴うストック効果などを説明した。
また、建設用3Dプリンターや遠隔操作、ドローン測量及び点群データ作成、GNSSによる建設機械の自動化といったICT施工の取り組みを紹介。
様々な最新技術を活用することで省人化・省力化を図り、現場の安全性や施工性の向上に繋げていること、広範囲の施工、オペレーターの作業負担軽減、作業時間の短縮といったメリットを説明した。建設ディレクターの業務内容も紹介し、女性や若手など多様な人材が活躍できる新たな職域であることも解説した。
現場見学会では、担当者の説明に耳を傾けながら、チルトローテーターが稼働する模様やバケット交換の様子を見学。停止状態のチルトローテーターへの試乗やタブレットによる点群データの作成体験なども行った。
参加した生徒は、「無人で遠隔操作ができることに驚いた。将来、このような施工に携われるようになりたい」「今回の経験を学校での勉強に活かしたい」などと話した。江藤次長は、「ICT施工に興味をもってもらい、建設業に入職してくれる技術者が増えて、将来どこかで一緒に仕事ができれば」と期待を込めた。