▼写真は挨拶する川浦副会長、研修会の模様
一般社団法人宮崎県法面保護協会(河野裕介会長)は12月8日、宮崎市内で2025年度の「労働安全研修会」を開催した。研修会には、会員企業の代表や安全管理者、現場従事者ら約40人が参加。建設業に於ける労働災害の現状や事故事例を踏まえた災害防止対策のほか、AEDを使った救命処置の手法などを熱心に学んだ。
協会主催の労働安全研修会は、法面及び斜面工事等に従事する会員企業の技術者を対象に、それぞれの現場の安全管理に役立ててもらおうと、会員企業の施工現場を対象とした安全パトロールとともに毎年開催しているもの。
河野会長に代わって挨拶に立った川浦幸治副会長は、会員企業が厳しい現場条件の中で行う法面工事を主体としていることを踏まえ、「事故事例の研究や安全管理の要点について繰り返し学ぶことは極めて重要」と指摘。研修を通じて、「安全対策への理解を深め、事故を絶対に起こさないという強い意識を持つ機会になれば」と期待を込めた。
研修では、建設業労働災害防止協会安全管理士の福元英幸氏が「労働災害の現状と防止対策」をテーマに講演。建設業に於ける死傷災害の発生件数を説明するとともに、ロープ作業中にロープが切れて作業者が墜落した事故事例や、ショベルカーに作業者が挟まれた事故事例を踏まえ、労働安全衛生規則などに基づく再発防止策を解説した。
福元氏は、路肩や傾斜地等から車両系建設機械が転倒または墜落したケースを例に、転倒時保護構造を有した機械を使用することや、オペレーターにシートベルトの使用を徹底させる必要性を強調。このほか、今年6月に職場に於ける熱中症対策が強化されたことを踏まえ、来年に向けた熱中症対策のポイントも解説した。
研修の第2部では、日本赤十字社宮崎県支部救急法指導員の深田勝廣氏と芝崎敏之氏が「現場での一次救命処置等」について解説。「救命処置の有無で傷病者の生存率や社会復帰率に大きな差が生じる」として、会員に心肺蘇生法やAEDの使用方法等を指導するとともに、応急的な止血方法や異物が喉に詰まった際の対処法を紹介した。